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なんだか愛車の調子が悪い……どこから手をつけるのがよいでしょう?【教えてネモケン063】

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A.操作に対してのタイムラグや無駄な動きを伴う部分を知っておこう

自分の愛車が果たして調子良いのか悪いのか、よくわかりません
距離はそこそこ伸びているし、年月も経っています
バイクは知らず知らずのうちに、コンディションを失っていますよね……

乗りっぱなしだと、バイクはどこがヤレてくる?

距離を乗ってしまったから、ヤレるのは仕方がないこと……いやいや、10万kmを過ぎていればそれもあるかも知れませんが、大きなメーカーで量産されているバイクなら、数万km走ったからといって目立ってヤレてしまうことはないはずです。それでは、どこにそういったヤレた感じが出てきてしまうのでしょうか。

「何だか、バイクが思ったように走ってくれない。全体にヤレてきた感じがして、乗っていても楽しくない」おそらく、こんな気持ちが深まっているのではないでしょうか?

現在のバイクは、どれも故障知らず。メンテナンスといっても、オイル交換くらいであとは気にせず乗り続けている方がほとんどだと思います。最近ではそのオイル交換でさえ、そのサイクルが信じられないほど伸びていますネ。

確かにメーカーが指定している定期的なメンテナンスを無視しても、トラブルフリーでまず問題なく走れてしまいます。

操作に対してのタイムラグが、ヤレ感やバイクへの不信感を生む

しかし、バイクは感覚の乗り物。機械的に問題なく機能していても、ライダーにとって扱いやすい状態が損なわれると、徐々に乗りにくい状況になりはじめます。いちばんのポイントは、操作に対してのタイムラグや無駄な動きを伴う現象で、これが積み重なるとヤレた感じに結びつきます。

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いまどきの最新チェーンは、一昔前と比較すると、伸びにくいしサビにくくなりました。それでも250ccクラスの純正チェーンはコストがかかっていないこともあります。一度伸びてしまったら、高グレードなものに交換してしまうのも手だと思います

チェーンやワイヤー類の伸びをチェック

まずドライブチェーンの調整。これは気にしている方も多いとは思いますが、カンタンにはできないため、意外なほど放置されています。スロットルの加減速でスナッチというか、ギクシャクが出てしまういちばんの原因ですが、それはコーナリング中に加速をはじめるトラクション効果の初期にも、路面の蹴り出しがジンワリといかず、思い切ったスロットル操作を妨げます。伸びてくるとシフトダウンもタイムラグが出て違和感が強くなります。

次にそのスロットルを操作するワイヤー。1年やそこらで伸びたりはしませんが、これが3年とか経ってくると知らずに遊びが増えていて、そうっと開けたつもりがガクッとくる加速になる原因でもあります。シフトダウンとか、そうした細かい操作も妨げることにもなりますネ。
ただ気持ち遊びは必要です。詰め過ぎは扱いにくくなるので要注意。クラッチもワイヤー操作だったら、使いやすいレバー位置に。遊びが大きくなって、交差点の停止状態でクラッチが完全に切れてないケースが数多くみうけられます。
最近スロットル側は、ワイヤーのないフライバイワイヤのバイクも多くなっていますが、こちらは立ちゴケなどでもセンサーに異常が出てしまうケースがあるので、注意したいところです。

車種によっては3,000kmでブレーキパッドはなくなってしまいます

ブレーキはパッドの減りに注意しましょう。一定以上減ると、パッドがディスクローターに「触れる→離れる」のストロークが長くなり、レバーストロークを必要とする、つまり遊びが大きくなってしまう現象が出ます。
小中排気量の純正パッドだと3,000kmほどでなくなってしまう車種もあるので、愛車のパッドがどのくらい持つのか把握していない方は要チェックです。

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ブレーキパッドの消耗は車種によって摩耗の具合がさまざまです。愛車のブレーキパッドの使用できる距離を知っておくと良いでしょう。また、キャリパーの掃除などもタッチの向上に貢献します。どちらも作業に自信のない方はショップに相談してみましょう

サスペンションはオーバーホールが必要です

サスペンションも、ダンパーオイルの漏れや、Fフォークはインナーチューブに付着して外気に触れる関係で、経年変化としてオイル不足や変質もあります。オーバーホールの必要な箇所として覚えておいてください。エンジンオイルはマメに変えてもサスペンションのオイルは気にかけない方が多いですね。

タイヤは空気圧チェックをマメにすることはもちろんですが、減っていなくても2年に1回は交換してください。タイヤが古いだけでいろいろなところがやれているように感じるので気を使いたいトコロです。

自分で整備できるところもありますが、不安に感じたら迷わずプロに相談してみてください。

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サスペンションにはオイルが入っています。距離を走ればもちろん汚れるし、厳密にいえば少しずつだが減っていきます。エンジンオイルは交換するけど、サスペンションは……という方は多いですよね。またタイヤの空気圧チェックはご自身でもできるはず。揃える道具も簡単なので、チャレンジしてみてはいかがでしょう?

Photos:
本田技研工業,真弓悟史