A.スポーツライディングでの一体感を狙っています
特に外国製ネイキッドに多いと思うのですが、
ワイド&フラットなハンドルバーを
装備するバイクがあります。
でも日本人には幅広過ぎるし、
ハンドルを掴んでしまいそう……。
この形状にしているのはなぜでしょうか?
前傾姿勢を強めることを狙ったハンドルバー形状
確かに外国製ネイキッドのハンドルバーには、日本車よりもワイドでフラットに設定されているものが多いですね。
理由のひとつはライディングポジションを日本車より前傾させる意図があるからです。日本車も以前の上半身が起きた状態に比べて、近年は前傾する傾向にありますが、外国勢はスポーティに人車一体感を高める狙いで、低めなだけでなくハンドル幅をワイドにする傾向があります。両腕がワイドな両端へ広がると、当然その分だけ上半身の前傾度が強まるというわけです。
これが水平にみえる要因なのですが、これだと確かに両腕が突っ張ってハンドルを抑える位置関係に感じるかもしれません。街中の停車時や極低速でハンドルをいっぱいに切ると、日本人にはアウト側のハンドル持つ手が遠く、上半身が泳いでしまう感じがしますよね。
慣れればコントロールしやすく感じるはず
ただ通常の走行状態では、グリップラバーを手の平の外側2本指でホールドして、グリップ内側の親指や人差し指に中指は軽く握る程度にすると、両腕を突っ張らずに不整路面からのキックバックも感じにくい、安心感のある状態が得られます。
これはフロントブレーキに使われているドッグレッグ形状のレバーを操作するのに好ましい状態でもあるので、慣れるとコントロールしやすいはずです。
もちろん、ご自分が扱いやすいもうちょっと高めで幅の狭いハンドル形状へ交換なさるのも悪くはありません。とはいえ、ハンドルの外側がハの字で両端が下がった、グリップが握りやすくリラックスできる位置関係は思いのほかハンドルを抑えてしまう……ことをお忘れなく。
海外メーカーのスポーツネイキッドに採用されているフラット&ワイドなハンドルバーは、スポーツライディングに適した前傾姿勢を得るために採用されている。日本のライダーの体格によってはハンドルが遠く、幅が広すぎると感じるかもしれない。写真は'22年に登場するドゥカティ ストリートファイターV2で、海外メーカーのスポーツネイキッドでも極端にフラット&ワイドと思える設定は少なくなっている
国内メーカーはヤマハMT-09のように、ハンドルバーのグリップ位置がライダー側に近く、絞り気味となっているものが一般的で、海外メーカーのスポーツネイキッドはステアリングヘッドにより近く、絞りも少ない設定のものが多い。写真ではわかりにくいが、バー1本分の位置が変わるだけで、操作性に大きく影響すると言われるのはご存知のとおり。実際に跨ると大きな違いを感じることになる