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山道で突然砂利道に遭遇。こんなときどうすれば……【教えてネモケン025】

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A.後輪の駆動力を使ってバイクの進路を決めましょう

ツーリングで山深いエリアに入ったところ、突然砂利道に遭遇。
オフロード経験はありませんが、戻るのが嫌なのでそのまま砂利に入りました。
超スロー走行しているのに路肩側にどんどん吸い込まれていくようで、
怖くてしかたありませんでした。こんな時、どうすればいいのでしょう?

緊張してハンドルにチカラを入れてしまいがち

ツーリング先で工事中の道路に遭遇することはありますよネ。大抵は舗装を剥がして、補修のための再舗装をしているケースが多いと思いますが、路面がかなり傷んだ場合には舗装面より下の路床と呼ばれる部分まで掘り起こして、下層となる砂利を敷き詰めた状態で通行させることもあります。

こうした工事中の砂利道は、よほどキャリアがないと大型バイクで走るのは至難の業と言えるでしょう。とくにスーパースポーツ系などの、前傾姿勢が強く、サーキット走行に向いた仕様のタイヤが装着されていると、走りにくさも半端ではありません。

こうした砂利道でフロントブレーキを触るのはご法度です。少しでも制動がかかると前輪は潜っていこうとするからです。そうなると、ハンドルで制御しようとしても、かえって前輪が潜ってしまい、悪くすると舵角がついたままドンドン直進していくハメに陥ります。敷き砂利が大きいほど、この傾向は強まります。そして、速度が落ちた途端に立ちゴケしかねません。

ブレーキをかけなくても、前輪で進路を決めようとハンドル操作をするほど、思った方向にはいってくれません。とは言っても、ゴロゴロした敷き砂利にハンドルを取られたら、どうしたってハンドルを押さえようとチカラを入れてしまいますよネ。

そんなときには、グリップを軽くホールドしてハンドルが左右に振られるままにしておきましょう。振られるのは、敷き砂利の角などで前輪が小刻みにとられているためで、基本的にはステアリングの復元力まかせで大丈夫なはずです。

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フロントブレーキはできるだけ使わずに

砂利道やダートに遭遇したら、舗装路のようにフロントブレーキを使わないように。使うと前輪が滑ったり、潜ったりと、転倒の原因になりかねない。ハンドルへの入力も御法度だ

エンジンの駆動力を上手に使うことを覚えて!

進路を決めるのは後輪の駆動力です。とはいえ、砂利道は後輪にパワーがかかると左右に逃げてしまうほどカンタンにスリップしがちです。これを防ぐには、エンジンをなるべく低い回転域にしておき、ギヤも2速〜4速の高めにホールドして、スロットルを開けて走ります。スピードが出てしまうようならスロットルを閉じます。砂利道が長く続くのなら、この開け閉めを繰り返します。

ただ開け方にコツがあります。砂利に後輪をとられるのを警戒するあまり、怖々そうっと開けるのはナシです。駆動力が弱過ぎると砂利にとられてばかりで、進路を決めるどころではなくなるからです。

少なくとも1/4以上はジワッと素早く開け、後輪が砂利で多少左右へ振れても構わず進みます。エンジンが中速トルクの域へ近づいたらスロットルを全閉にして速度調整します。このジワッと開けるタイミングと、行きたいと思う方向へ上半身や腰を使って軽く車体を傾ける感じにしましょう。

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高いギヤ、低い回転数でジワッと素早く

バイクの進路を定めるには、後輪の駆動力を活かす。動き出したらギヤを2 速以上に保ち、低い回転でスロットルをジワッと素早く開ける。恐々ゆっくり開けると、進路も決まらず、立ちゴケのリスクが高まる

慣れているとそれなりに傾いたほうが進路も明確になるのですが、それは後輪がどちらかに逃げても対応できるベテラン向きで、砂利道というだけで身体がこわばっている場合は、速度も低いのでほんのわずかでも傾けば十分です。

お薦めなのは、燃料タンクを両膝で挟んでグリップ(いわゆるニーグリップしている状態です)して車体を軽く傾けるアクションを、外側の膝で押し込むようにすると何とかなります。
また曲がりたい側、つまりイン側の足を出して何かあったら地面につけるような感じにしてみてください。これも重心が内側にかかって、曲がりやすい状態をつくってくれます。

またトライアル競技のように、ステップの上で立った姿勢をするライダーもいますよネ。車体の動きで身体のバランスが左右されないよう、シートから腰を浮かしたほうが走りやすいからです。が、慣れずに真似をすると必然的にハンドル位置が低くなり、ハンドルを押さえ気味にしてしまい前輪が潜りやすいので要注意です。

もちろん、こういうとき困らないために、オフロードの感覚を身につけておくのが一番です。少なくとも前後輪がちょっとでも左右へ逃げたとき、過剰反応して操作ができないほど身体がガチガチにならないよう、バイクに対して柳に風のような柔軟な対応ができる感覚は身につけたいものです。

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“スタンディング”は慣れが必要

モトクロスやトライアルなどでお馴染みのスタンディングは、慣れていないとハンドルを押さえがちになるので注意。ハンドルが低いスポーツバイクでは難易度はさらに高まる。まずは曲がるイン側の足を前方に出し、車体を僅かに傾けて……を試してみよう

Words:根本 健 Photos:真弓 悟史,BMW