英国流バイクカルチャーに育まれたカフェレーサーの代表格スラクストン

トライアンフのスラクストンといえば、1960年代に英国製スポーツバイクが世界を席巻していた頃、名車中の名車と謳われたボンネビル系をレーサーに改装し、500マイルレースで優勝したサーキット名を冠したモデル。
以来カフェレーサーの代名詞のようにいわれ、新生トライアンフでもバーチカルツインのボンネビルが復活すると、そのバリエーションとして当然のごとくカフェレーサーのスタイルが誕生、スラクストンと命名された。
そもそもカフェレーサーと呼ぶカテゴリーの由来は、英国のバイカーがカスタムした愛車自慢でカフェに集うカルチャーを総称したもの。
タンクからシートへのスタイルなど、イタリア車とは異なる英国流儀があり、そうしたカルチャーを反映したスタイルにこだわるファンが育んだひとつがスラクストンなのだ。

その新生トライアンフのスラクストンが、2024年に生産を終了することになり、そのファイナル・エディションが発表された。

ベースはこれまでのスラクストンに、足回りをグレードアップしたRSモデル。
これに特別カラーなどファイナルに相応しいこだわりを込めたという。
新生ボンネビルにも派生したスラクストンも
ボーイズレーサーからトラディショナル色を強めながら進化

復活したトライアンフのボンネビルをカフェレーサー・スタイルに展開したスラクストンは、900ccモデルの頃にボーイズレーサーと呼ばれる、これも英国流儀のトラディショナルな中にも渋さよりスポーツ性をアピールする傾向にあった。

また1200ccではよりトラッドでシンプルな装いへと展開され、世界中の幅広い年齢層へと浸透していくことになった。
主流はボンネビルのアップライトなスタイル とはいえ、カスタマイズされたそれぞれ固有のスタイルが楽しめるカフェレーサー人気は根強い。
このスラクストンでもファイナル・エディションとなると、さすがいかにも濃い感じにまとまる独得なイメージで、スペシャル感が半端ない。


オプションのカウルがさらにカフェスタイルを艶やかに

バイクとしての仕様は、エンジンのパワーモードからトラクション・コントロールまで最新の設定が可能なのはもちろん、RSバージョン譲りのハイエンドなサスペンションと、走りの醍醐味を存分に楽しめる贅沢なスペック。
そして用意されているカウルなどを見ると、英国流儀がストレートなトライアンフならではの感性で、これをつけてカフェレーサーとしての完成形を見てみたい衝動にかられる。
ぜひ実車をご覧になって、その「違い」をご自身の目で確かめられるようお奨めしておく。

SPEC
- Specifications
- TRIUMPH THRUXTON FINAL EDITION
- エンジン
- 水冷4ストロークOHC4バルブ2気筒
- 総排気量
- 1200cc
- ボア×ストローク
- 97.6×80.0mm
- 圧縮比
- 12.1対1
- 最高出力
- 77kW(105PS)/7,500rpm
- 最大トルク
- 112Nm/4,250rpm
- 変速機
- 6速
- フレーム
- 鋼管クレードル
- 車両重量
- 197kg
- キャスター/トレール
- 22.8°/92mm
- サスペンション
- F=テレスコピック倒立
R=スイングアーム+2本ショック - タイヤサイズ
- F=120/70 R17 R=160/60 R17
- 全長/全幅/全高
- NA/745/1,030mm
- 軸間距離
- 1,415mm
- シート高
- 810mm
- 燃料タンク容量
- 14L
- 価格
- 215万円