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Triumphの新しい400は単気筒を感じさせない吹け上がり!【What's New】

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TRIUMPH
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2気筒?と勘違いしそうなほどシングルのビンテージ風なエンジン特性ではない!

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2023年の6月に発表されたトライアンフのSPEED 400とSCRAMBLER 400 X。
待つこと半年を過ぎ、遂に日本へ上陸、ユーザーへのデリバリーがスタートする。

この新しい2モデルのジャーナリスト向け発表試乗会が開催され、短時間ではあったが乗る機会に恵まれたので早速リポートをお届けしよう。

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まずSPEED 400だが、見た目に車格があるものの、実際に跨がると単気筒でスリムなエンジンということもあり、足つきも良好でバイクが真っ直ぐに立ったままだと、左右どちらの足でつこうとグラつかない安定感で、ビギナーでも安心できる扱いやすい操作性だ。

そして走り出した途端、軽々と回るエンジン・フィーリングに、単気筒であることを忘れさせる。
それはギヤリング設定を低く感じさせるほどで、ローギヤは瞬く間に回転が高くなってしまうため、セカンド、そしてサードギヤと忙しくシフトアップすることになる。

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とりわけ4,000rpmを過ぎてから、回転が上昇する領域が実に軽やかで、俊足であるのを意識させるスポーティな走り。
逆に低い回転域はトルキーというほど太いトルクは感じさせず、開ければ即ダッシュをはじめるレスポンスの良さを活かしたスロットルの捻り方になる。
ライドバイワイヤーでスロットル・ケーブルのない新感覚とも併せて、これまでにない快活な400スポーツといった印象が強い。

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エンジンは水冷DOHC、4バルブでボア89mm、ストローク64mmのショートストローク設定。
最大出力は40PS/8,000rpm、最大トルクも38Nm/6,500rpmと400ccフルスケールならではのパワーと低中速域からワイドなトルク特性を得ている。

ミッションは6速。シフトダウン時の後輪ロックを防止するトルクアシストクラッチを採用。
トラクションコントロールは、シンプルなオン/オフの選択で迅速かつ容易に切り替えられる。

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このプロジェクトはかねてからインドの「バジャージ」との提携で進められてきた。
2モデルとも、トライアンフの本拠地である英国ヒンクレーで企画・設計されている。
SPEED 400はひと目でわかる、トライアンフが成功させてきたバーチカルツインのモダンクラシック系ロードスターに属したデザイン。

フレームは鋼管クレイドルタイプで、シートレールはボルトオン形式。
フロントフォークはスポーティな走りのため43mmの大径ビッグピストンを内蔵した倒立タイプ。
リヤサスはリザーバー付きモノショックで、前後17インチホイールだ。

スクランブラーはサイズの大きさが運動性でも安定感で功を奏する

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SCRAMBLER 400 Xは、トライアンフがミッドセンチュリー(1950年代)に成功を収めたスクランブラーの流れを受け継ぎ、まさに時代の寵児としてニーズに応えてラインナップされた。
アドベンチャー系の流行りともオーバーラップしていることから、人気を呼びそうな逞しい車体ボリュームが魅力だ。

そして前後ともストロークを150mmに延長したサスペンション、長めのホイールベース、大径19インチのフロントホイール、ワイドハンドルバーを採用。
これらの仕様で非舗装路面での走行で安定性とコントロール性を高めている。

ただ835mmのシート高は、エンジンがスリムとはいえ身長が165cmを切ると足つきは少々不安になるはず。
届きにくい場合はショップと相談して、サス調整などの対応を依頼したほうがビギナーは安心だろう。

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この全体に車格が大きいことから、走りもSPEED 400と比較すると動きを穏やかに感じさせる。
安定感が大きく、停車してから足を出せるほど落ち着きがあって安心できるので、ビギナーには疲れにくいバイクとなるに違いない。

ハンドル幅もあるので、そうした全体がヤジロベエ効果で小さなターンも速度を落としたほうがスムーズ且つ乗りやすい。
また大きめの鋳鋼製ブレーキペダルとハイグリップフットペグをより低く設定、そしてより広く配置することで、オフロード走行時に自然なスタンディングポジションをとりやすい設計となっている。
フロントブレーキディスクはSPEED 400の300mm径に対し、 SCRAMBLER 400 X は320mmへ大径化、パッド構成を最適化することで、あらゆるコンディションで扱いやすいコントローラブルな安心の制動性能を可能にしている。

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走行距離無制限の2年保証と輸入車の不安払拭につとめる!

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メーターは速度計がアナログ表示で回転計はデジタル表示のコンビネーション。
USBソケットも標準装備。ヘッドライトからウィンカーまですべてLEDだ。

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また新車からの整備は16,000kmで点検、12ヶ月点検と距離も期間も余裕のある設定で、走行距離無制限の2年保証。

SPEC

Specifications
TRIUMPH SPEED 400 / SCRAMBLER 400 X
()内はSCRAMBLER 400 X
エンジン
水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量
398cc
ボア×ストローク
89.0×64.0mm
圧縮比
12対1
最高出力
29kW(40PS)/8,000rpm
最大トルク
38Nm/6,500rpm
変速機
6速
フレーム
鋼管クレードル
車両重量
171kg(180kg)
キャスター/トレール
24.6°/102mm(23.2°/108mm)
サスペンション
F=テレスコピック倒立
R=スイングアーム+モノショック
タイヤサイズ
F=110/70 R17(100/90 R19) R=150/60 R17(140/80 R17)
全長/全幅/全高
2,055/815/1,085mm(2,115/900/1,170mm)
軸間距離
1,375mm(1,420mm)
シート高
790mm(835mm)
燃料タンク容量
13L
価格
69万9,000円(78万9,000円)