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このバイクに注目
HONDA
VTR1000F FireStorm
1997~2007model

VTR1000F FireStormはホンダ車で傑作のひとつに挙げられるスーパーツインだった! 【このバイクに注目】

Photos:
HONDA

ピボットレスの馴染みやすいハンドリングとサイドラジエーターのチャレンジにもリスクを感じさせず、追い越し加速でCBR900RRを上回る知られざるパフォーマンスとを両立!

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ホンダはVTR1000F・ファイヤーストームを、1997年1月から輸出を開始、4月から国内向けモデルが発売された。
1990年代中盤を迎える頃、世界はビッグツインが好まれる気運が高まり、ホンダでもそこへ対応しようということでプロジェクトがスタート。
ただホンダはメジャーな4気筒に対し、2気筒はあくまでマイナーな存在となる前提で、スーパースポーツの位置づけでもデザインはハーフカウルだったりピボットレス・フレームなど、いわゆるトップエンドの仕様とは異なる個性をアピールするコンセプトだった。

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ホンダはオフロード系の単気筒で、ボア(内径、ピストンの直径)の大きなエンジンが瞬発力や強大なトルクで世界中から評価されてきた実績がある。
その強みが活かせるビッグツインということで、当初は大型クルーザーやBROSで既に実績を積んだ狭角52°も検討されたが、パフォーマンスを狙うスポーツ性から軽快なハンドリングに優位なカタチの新規エンジンの開発を決定。
こうして90°のVツインでバランサーを持たないシンプル構造と決まると、エンジンを強度メンバーとして2気筒のスリムさを強調するため、スイングアームのピボット部分をフレームから省きクランクケースで支持するピボットレスと、マイノリティ前提のフォルムが組み上がった。
ところが得意な大径の燃焼室のノウハウで、V型4気筒で培ったスラント型フラットバルブのダウンドラフト・キャブレターもあって、予想を上回るスーパーVツインのパフォーマンスを得ていたのだ。
それはツインが得意な中速域で、80km/hからのダッシュを計測すると、最高速を誇ったCBR1100XXを280m先まで引き離し、CBR900RRに対しても120m先まで追い抜かれないというモノ。
98mm×66mmの996ccは、110PS/9,000rpmと9.9kgm/7,000rpm、乾燥で192kgのスペックで、ルックスとは裏腹にひと鞭入れると牙を剥き出しにするのだ。

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また車体のほうも、前輪荷重を高める狭角Vツインではないため、ラジエーターをエンジンの前から取り去り左右に振り分けてマウント、エンジン全体をギリギリに前輪へ近づけた。
さらにピボットレス・フレームのメリットで、1,430mmと短めのホイールベースにもかかわらずスイングアームが495.5mmと、アップダウンの激しいワインディングでも安定したトラクションが得られる仕様。
前後のサスペンションは、CBR900RRなどスーパースポーツだけに採用されていたカートリッジタイプの減衰機構も採り入れ、当時の仕様では最高レベルを纏った車体構成となった。
さらにはエンジンの重心位置が、前輪との距離と地上からの高さでリーンなど運動性でスーパースポーツ並みに優れた過渡躅性に収まるという高バランスで、乗って楽しい醍醐味あふれるハンドリングとの評価から、ヨーロッパをはじめとしてリリース後の人気は上々だった。

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対して日本国内では、見た目からツーリングスポーツ的な位置づけで、雑誌広告から緩やかに走るイメージを伝えていたことから、海外ほどの人気にはならず地味な存在のまま。

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実は2001年モデルで燃料タンクを2リットル容量を増やし、ハンドルの角度をやや上げてグリップ部分で16mmアップとライディングポジションを変更するモデルチェンジを経ていた。
そうしたマーケットのニーズを反映するなどして、国内向けが2003年で終了したのに対し海外向けモデルは2007年まで10年以上の生産が継続されたのだ。

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こうして優れたハンドリングに、強烈な中間加速というパフォーマンスは、日本製スーパーVツインの頂点モデルとしての実態を持ちながら、国内マーケットではとくに際立った注目を浴びることなく過ぎてしまった。
詳しい方はご存じのように、2000年にはVTR1000SP-1(RC51)というスーパーバイク・レース出場を睨んだVツイン・レプリカをリリースしたが、こちらは様々な要素が噛み合わずレースで戦績は残したものの、ファンの心を動かすムーブメントには至っていない。
しかしVTR1000F(SC36)のツーリングからワインディングのスポーツライディングまで、乗れば醍醐味を楽しめるキャラクターとして、世界のオーナーを虜にし続けていた。
そんなノウハウを積み上げた実績から、ホンダが開発する最新Vツインのスーパースポーツを見てみたいと期待するファンは少なくない。

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