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ツーリング途中で雨に降られたら「ウエットライドの知っ得アレコレ」

Photos:
長谷川 徹,BMW

携帯レインウエアとコンビニ袋は必須

万一に備えて持っていく携帯レインウエアは、コストが高くついても薄手の着やすい仕様が絶対に快適

季節は梅雨。乗りたくても乗れない我慢の季節……それでも梅雨の合間を縫って、予報で雨が降らない、もしくは降ってもにわか雨程度の予想で出かけてしまった場合、ツーリング先で降られてしまったときの対処法をいくつかお伝えしよう。

まず雨が降る前提で用意する完全なレインウエアにブーツカバーなどに触れておくと、耐水圧もあって透湿度もシッカリした装備を揃えるのが先決。
本降りの中を走ると、袖口から襟口などから浸入されて最悪な状況に陥る。パンツもお尻の合わせ目から染み込むので、コストが高くついても仕様にはこだわるべきなのはキャリアを重ねた皆さんはご存じのはず。

中に何を着用しているかによるものの、基本は走行風でバタついても大きめの緩めなサイズを選ぶほうが良い。
ピッタリしていると、動きに制約が出て乗りにくいだけでなく疲労度も増す。冬場に厚手のウエアを着ても使えるサイズにしておこう。

しかし梅雨の合間に雨が降らない日となると、気温からメッシュなど通気性の良いウエアを選びたくなる。
メッシュでなければ、Water Proof 表示で小雨程度なら凌げるウエアも多い。ただ気温的に蒸れて不快な気候なので、雨に備えてこれを選ぶのは躊躇する。
やはりこの季節はメッシュで暑さ対策をして、携帯できるライトなレインウエアを携行するのが嵩張らずに便利。薄手で大きめサイズなら、咄嗟の雨にもすぐ着用できる。

ただ薄手だから何でも同じというワケではない。コストが高くついても、内側が滑りやすい素材で、大きめのカットの動きやすいタイプを選びたい。

コンビニのレジ袋をブーツの中に履くだけで、まったく濡れずに快適さが保てる?

こんなとき意外なほど役立つのがコンビニのレジ袋。何に使うのかというと、ブーツの中に履くのだ。

雨だとブーツカバーが一番だが、携帯レインウエアは携行してもブーツカバーまでは持っていかないことが多い。
しかし大して降っていなくても、路面からの跳ねでブーツの中まで濡れて沁みてくるのは珍しくない。
もしくは一瞬でも土砂降りに見舞われると、ブーツの上から垂れて浸入され中がプール状態というのも起きやすい。
これがレジ袋を中に履いていると、足は靴下も含め濡れずに済むのでまったく気にならず快適至極。
ブーツ用にふたつ、何か防水したほうが良いモノへの準備で1~2枚と、レジ袋はジャケットのポケットに突っ込んでもイイのでぜひお忘れなく。

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コンビニのレジ袋は、ブーツの中に履くと靴下を含めまったく濡れずに済むので必須アイテム。他にも濡らしたくないグッズの防水など、イザというとき役立つので数枚を携行しておくと便利

グリップヒーターは寒い冬のためだけではない!

もうひとつ、これはウエアではないのだが、雨の日はグリップヒーターが大いに役立つ。

スイッチONでグローブが濡れて操作しにくいのを解消できたり、寒くなくても濡れて走行風で冷えるのを防いでもくれる。
冬の寒さはもちろん、春秋の山の中で気温が低いときなどもこれだけで寒さを凌げるので、装備できるバイクは必須のアイテムとしてお薦めだ。

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最近はグリップヒーターを標準装備するモデルも

雨の日のライディングは、滑るかも……と注意は必要でも、すべてに緊張し過ぎて萎縮してしまうのは却って危険。丁寧な中にもメリハリのある操作で、受け身にならないことが大切

そして濡れた路面に気をつけるのは言うまでもないこと。
「急」のつくブレーキ操作やスロットル(アクセル)ワーク、そしてリーンなど車体の扱いも丁寧さを心がけよう。
ただ「滑るかも……」という恐怖心が先に立って、わずかなリーンもできないまま曲がれない状態に陥るビギナーも少なくない。
そんなとき、燃料タンクを挟んだ両膝のカーブに対しアウト側の膝で、チョンと外側から当てるようにプッシュするだけで、速度が出ていなければ驚くほど曲がってくれる。
ビビったときのために覚えておいて、ぜひお試しを。

また緊張と身体の冷えなども加わって、ガチガチになりやすいので、頻繁にリラックスするよう自分に言い聞かせ、身体中からチカラを抜くのを何度も繰り返しながら走ろう。

それとブレーキは、かけてから効くまで冷えているのでちょっとタイムラグがある。これは故障ではないので、入力する度に確認しておけばパニック回避にもなるので意識しておきたい。

またスロットル操作も、怖々そうっと捻るのはすべてを掴みにくくするので、低い回転域を前提に、まず1/4あたりまではサクッと開けてしまい、そこから開度調整をする操作のほうが、タイヤのグリップにもきっかけが与えられ操る自信にも繋がるのでこれもぜひお試しを。

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落ち葉や白線は濡れるとかなり滑りやすくなるので要注意