img_article_detail_01

タンデムツーリングのコツを教えて!【教えてネモケン043】

oshiete-nemoken_043_main.jpg

A.不安にさせないための操作を習得しよう

大型免許を取って以来、週末のツーリングを楽しんでいます。
この楽しさを嫁にも知ってもらいたくて、タンデムツーリングを計画中です。
でも経験がありません……タンデムのコツを教えてください!

跨る時にもコツがある!

伴侶とのタンデムツーリング、最高ですね! しかし初めてのタンデムで、怖い思いをすると次のお誘いに首を縦に振ってくれなくなるかもしれません。というワケで、コツというよりリスク回避のために覚えておきたいノウハウをお伝えしましょう。

まず乗車ですが、これはサイドスタンドを立てた状態で乗ってもらいます。不慣れだとタンデムステップに左足をのせ、片足に全体重をのせて跨がろうとするのがフツーです。
この左側へ一気に体重が載るのをライダーが支えるのは厳しいはず。可能であれば左足を地面に着けたまま跨がってもらうのが良いのですが、最初からこれを要求するのは無理があると思います。

また、跨ってもらう際には、ライダーは胸がタンクに触れるくらい上半身を伏せます。パッセンジャーは、その左肩に左手を添えて上半身を支えながら、ご自身も上半身を前かがみにすると足を高く上げずにすみ、跨りやすくなります。

跨がったら両腕でライダーを抱えるように、上半身が密着している状態になってもらいます。タンデム用のグリップレールが装備されていても、最初はこの状態のほうがライダーには操作しやすいからです。上半身が離れて別な動きをされると、車体の挙動に遅れを生じます。

oshiete-nemoken_043_01

新たな楽しさを満喫しよう

タンデムツーリングはソロで走るのとはまた違った楽しさを満喫できる。感動や意識を共有することで、いつもの風景が違って見える。タンデムツーリングに慣れていないなら、最初から無理に遠くへ行かず、短距離から始めるのがお薦め。パッセンジャーに「また行きたい!」と思ってもらうことが重要です!

「また連れていって!」と言ってもらえるように

発進する際には、ソロのときよりエンジン回転を上げ気味で半クラッチ……となりやすいのですが、これは不安定な時間が長くなるのでご法度です。大排気量車であれば、アイドリングのままクラッチを放し気味にして、グッとエンジン回転が下がるタイミングでスロットルを開け、同時にクラッチを繋ぎます。低い回転域のトルクで加速するよう練習しましょう。
これができないと、発進直後に方向転換するシーンでフラフラして後席に不安を感じさせてしまいます。

そしてギヤチェンジは、それこそ3,000~4,000rpmあたりでどんどんシフトアップ。スロットルは手首のスナップをきかせる程度の小さな操作と、クラッチレバーを遊びプラス4~5mm引くだけでパッと放す瞬間操作を繰り返せば、シフトの度に後席が前後に揺すられるギクシャクを防げます。これは相当に重要なポイントです。不慣れな人にとって、疲労のほとんどがこの前後に揺すられる動きだからです。

ブレーキングは前後とも遊びのストロークを殺してからジワとかけて、ショックの出ない減速を心がけましょう。ライダーにとって難しいのが停車。ス~ッと穏やかに止まりたいところですが、そうなると着いた足が微速ながら前進する車体の動きによって後ろへ持ってかれてしまい、立ちゴケの危険性を高めます。慣れるまでは、ショックが出ても最後にギュッと強めにブレーキして、しっかりと足を地面に着けてください。

またUターンなどのひとりでも緊張するシーンでは、一旦降車してもらい、また跨がってもらう慎重さも必要不可欠です。それとせっかく行くのだからと、遠距離を目指さないのも大事です。短い時間でも、風を切って走る醍醐味は初めてなら充分に味わえます。慣れたら徐々に時間と距離を伸ばしていきましょう。大事なことは「また連れていって」と言わせること。これをくれぐれもお忘れなく。

oshiete-nemoken_043_02

不安にさせない気遣いを最優先

タンデムライディングに慣れるまでは、ライダーもパッセンジャーも不安だらけ。とはいえ、最優先すべきはパッセンジャーへの気遣い。乗り降りのときに車体をしっかり安定させることや、走行中にもギクシャクさせない……急な操作を控えるなど、パッセンジャーを不安にさせないよう心掛けて走りましょう

oshiete-nemoken_043_03

インカムがあれば、常にコミュニケーションが取れるし、休憩のタイミングなども決めやすい。美しい景色なども共有できる。写真はサインハウスのB+COM