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BMW二輪部門のトップが登壇するほど力を入れる、1年半ぶりの国際試乗会!【BMW R18Rの国際試乗会に参加! Vol.2】

約1年半ぶりにBMW Motorradの国際試乗会に参加!

「BMW R18B」の国際試乗会に参加するために訪れたドイツ・フランクフルト。到着の翌朝、ホテルのフロントとは別に、試乗会のための受付デスクがオープンしていてスタッフが座っていた。
前日の夜に着いたことを伝え、抗原検査をいつ受けるべきかを聞くと、いますぐ受けて欲しいと言われた。事前に配布された資料には、BMW Motorradが用意した抗原検査場で検査を行い、その場で陰性が出た者にのみ試乗会に参加できると明記されていたからだ。

そこですぐに検査を受け、結果が出るまで10分ほどロビーで待機し、メールで送られてきた陰性証明を受付に見せて初めて、試乗会参加を証明するネームプレートが渡された。with コロナ時代の新しいイベント開催方法である。

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ホテルの受付とは別に用意された、国際試乗会用の受付窓口。すぐに抗体検査を受けるようにとのこと。専用アプリで個人情報やメールアドレスを記入し、提供されたQRコードを持って、BMW Motorradが用意した、ホテルの一室を使った検査場で抗原検査を行った

技術説明会では、BMW Motorradの上級副社長マーカス・シュラム氏が登壇

そしてその日の夕方、「R18B」と「R18トランスコンチネンタル (以下TC)」の技術説明会が行われた。近年のBMW Motorradの国際試乗会での技術説明会は、動画やプレスリリースですでに公開した内容のお復習い的で、詳しくは説明会後のディナーや、翌日の試乗会に同行する開発者やPR担当者に直接聞いてくれ、というスタイルをとっている。

今回もその流れだったが、唯一違ったのはBMW Motorradの上級副社長マーカス・シュラム氏が登壇したことだ。シュラム氏は、すでに発売した「R18」と「R18クラシック」がすでに、世界で4,000台以上を販売し好調なセールスを記録していること。とくにドイツと中国で販売台数を伸ばしていること。そして今回発表した「R18B」「R18TC」は、R18シリーズによって新たに参入したクルーザーカテゴリーで大きくシェアを拡大するための重要な機種であることを説明した。

あとで開発者の1人に聞いた話だが、シュラム氏は、BMW Motorradにとっては大きなチャレンジであるクルーザーカテゴリーへの参入を強力に後押しする、最大の理解者だという。

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何度かBMW Motorradの国際試乗会に参加したことがあるが、BMW二輪部門のトップが登壇したのは初めての経験だった

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「R18B」「R18TC」は英国のアンプブランド/マーシャル社とコラボ。車体にはマーシャル製の音響システムが装備される。それを記念し、技術説明会の会場では、ライブ会場のような、マーシャル製アンプを積み上げて使用。また各試乗車にセットされたスマホには、マーシャル社とBMW Motorradがセレクトしたロックやポップス、ヒップホップなどの音楽が大量に入っていて、それを聴きながら走行することができた

すでにR18シリーズの好調なセールスを見せる、ドイツや中国市場。

BMW Motorradは今回、約1年半ぶりに国際試乗会を開催した。スケジュールも全6グループ/約2週間。アジアからは日本のみだったが、欧州全土、さらにはロシアからもメディア関係者が試乗会に参加した。
そこにBMW Motorradのトップが登壇することを深読みすると、BMW MotorradにとってR18シリーズが非常に重要なモデルであり、すでに好調なドイツや中国以外の市場にもチカラを入れていくという決意表明とも取れる。

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空冷ボクサーシリーズを統括するチームのボスであるセップ・ミリッチ氏

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プレゼンテーション後に行われるディナーでは、各テーブルに開発者やマーケティング担当者が同席し、話を聞くことができる。我々の席にはミリッチ氏が同席した

またディナーに同席した空冷ボクサーシリーズを統括するチームのボスであるセップ・ミリッチ氏に、なぜBMW Motorradは「R18B」「R18TC」でクルーザーカテゴリーのモデル拡充を図ったのかと聞くと、それはクルーザーカテゴリーが大きな市場規模を持っているからだ、と語った。市場の中心はアメリカだが、欧州や東欧、日本や中国といったアジアにも大きな市場がある。そこにBMW Motorradらしいクオリティとキャラクターの製品で挑戦すれば、しっかりと存在感を発揮できるからだ、と。

400kg近い巨体だが、これは紛れもなくスポーツだ!

試乗した「R18B」は、先に発売された「R18」や「R18クラシック」とは、異なるキャラクターを持っている、と感じた。そのフィールドはやはり、長距離走行だ。大型カウルは見た目通り高いウインドププロテクション性能を持っていて、ライダーはカウルが造り上げる防御シールドのなかで悠々自適のライディングができる。
試乗ルートの中に少しだけアウトバーンが組み込まれていたが、そこでの安定感も抜群だった。しかも、直線番長的な安定感ではなく、ライダーの入力に対する車体の反応が良い。レーンチェンジなどは、ヒラリと言う表現がぴったりくるほど軽い。

この車体の軽さは、ワインディングでも変わらなかった。バンク角こそ少ないが、ブレーキングと体重移動、それにビッグボクサーエンジンの強力なトルクを活かして加速していけば、400kg近い巨体をヒラヒラと切り返しながらワインディングを走ることができる。

それはスーパースポーツやアドベンチャーバイクでのスポーツライディングとは少し種類が違うものの、紛れもなくスポーツライディングであった。いまアメリカで人気のバガースタイルのクルーザーによって争われるロードレース「キング・オブ・バガーズ」が誕生したのも、バガーの奥底にはスポーツマインドが刻まれているからだ。

BMW Motorradはそもそも、すべてのプロダクトにスポーツマインド=操る楽しさを組み込んでいる。「R18B」もまさに、そのスポーツマインドが大きなポイントとなっている。

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R18Bはショートスクリーンを採用

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コーナーリングライトを含むLEDヘッドライトシステムの上に見える四角いクロームメッキパーツ内にACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)用レーダーセンサーを配置する

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片側27リットルの大容量をリヤケース。防水性を高めるため、やや厚めの内装が採用されている

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フロントフォークにマウントした大型カウルの内側には4連のアナログ表示メーターと、10.25インチTFTカラーディスプレイを装備する

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ステアリングヘッド周りを見ると、変更された上部部材を見ることができる

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アンダーブラケットを見れば、ステアリングヘッドよりも後ろ側にフロントフォークをセットする、ネガティブオフセットされたフロント周りを確認することができる

その操る楽しさを実現したのは、フレームや足周りの強化と、フロント周りのアライメントだ。フレームの基本構成はR18シリーズ共通だが、大型のカウルやケース類を装備し、しかも2人乗りで高速巡航する「R18B」と「R18TC」は、メインフレーム上部を一新。パイプから板金成形部材に変更し剛性を高めている。また大型カウルをフロントフォークに装着しながら、低中速域での自然で軽快なハンドリングと、高速域での走行安定性を確保するため、ステアリングヘッド位置をストレッチし、なおかつフロントフォークをネガティブオフセットして装着し、相反する特性を両立。またキャストホイール化し足元も強化している。

さらにはACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)をはじめ、数々の電子制御デバイスも装備し、ライディングをサポートしている。スポーツマインドに電子制御テクノロジーと、「R18B」はクルーザーカテゴリーに新風を吹き込んだと感じる。それについて市場がどう反応するか大いに楽しみである。

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今回の試乗ではフランクフルト郊外を約260km走った。高速道路やワインディングでは、「R18B」のスポーツマインドをしっかり感じることができたと同時に、通過した小さな街の入り組んだ路地では、低速域での操作性の良さや安定感の高さを感じることができた。休憩場所でコーヒーとともに提供されたのは、ドイツでは定番だというチョコレートを挟んだクッキーだった

果たして無事、帰国できるのか?

試乗会はこれで終了したが、我々は日本に帰るためにイロイロと準備が必要だった。いちばんはPCR検査陰性証明書の取得だ。
帰国のフライトは試乗会翌日だったためその前日、ようするにドイツ到着の翌日に、帰国のためのPCR検査を行った。日本政府は帰国者および入国者に対し、出国72時間以内のPCR検査陰性証明の提示を義務化。
しかもその検査方法と証明書書式を指定している。調べると、フランクフルト市内はいくつものPCR検査機関があるものの、検査方法が合致し、なおかつ発行した証明書を元に日本の書式に書き換えてくれる検査機関はフランクフルト空港にしかないことがわかった。したがってドイツ到着の翌日に再び空港に戻り、検査を行ったのだ。

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空港にあるPCR検査場。フランクフルトのPCR検査場はWEBで簡単に検索できるが、日本のレギュレーションに対応していたのは、この空港の検査場のみだった

その陰性証明書は、少しトラブルがあったものの、試乗会終了後にPDFデータで取得することができた。そして出国当日、PCR検査を行った空港の検査機関を再び訪れ、日本政府が指定する陰性証明書に書き換えてもらった。

その書類や、帰国後に必要な質問票を搭乗前にチェックされ、ようやく離陸。12時間のフライトを終えて帰国すると、ドイツで受けたPCR検査の陰性証明書や公共交通機関を使用しないで隔離場所への移動方法、2週間の自主隔離中に現在地確認を行うAIテレビ電話ができるスマートフォンAppの確認やら、帰国時のPCR検査やらで、1時間半ほどを要してようやく荷物を引き上げ空港の外に出た。

ドイツ入国が驚くほど簡単だったのに、帰国は何故にこれほど面倒くさいのか……納得がいかないが、今後しばらくは、これが海外出張時のデフォルトになると思い込むしかない。

ということで、長々のレポートにお付き合いいただきありがとうございます。私の自主隔離はちょうど折り返し地点。もう少し、机に向かうしかない生活が続く。