アメリカンスポーツ−−。僕の中でのインディアン のFTR1200シリーズのカテゴリーだ。カテゴリーと言いつつも今のところ市販車で当てはまるのはFTR1200シリーズだけで、ちょっと前のバイクも考慮するとハーレーダビッドソンのXR1200(もちろんXR750&1000も)やビューエルも入ってくる。
RIDE HI No.2の誌面ではトラッドスポーツ(トラディショナルスポーツ。詳しくは誌面で)としてFTR1200を紹介しているが、実際にFTR1200に乗っていると“アメ車感” はほぼない。
強いて言うとスロットルを開ける度に存在感をアピールしてくる、闇雲にスロットルを開けるのが楽しいツインらしさはアメ車っぽい。しかし、そこから少しスロットルを大きく開けるととんでもない速さを見せ、そのスタイリングからは想像がつかないほどスポーティな走りを約束してくれる。
その走りから思い描く僕の中でのライバルは、ドゥカティのモンスターやトライアンフのスピードトリプルの外車トラッドスポーツである。決してハーレーではないのだ。
狭い小道を入っていくと様々な景色に出会うことができる。専用設計のダートトラックタイヤのおかげで未舗装路にも入って行ける
電子制御は直感で操作できる
積極的な走りをサポートしてくれる電子制御はタッチパネルで簡単に欲しいモードを呼び出すことができる。モードはレイン、スタンダード、スポーツの3種類が用意され、トラクションコントロールやABSも装備するがオフも可能。
その操作はわかりやすく、信号待ちなどでも簡単に変更できる。
レインモードはスロットルレスポンスが穏やかになる。スポーツはリニアで、ドライでバイクに慣れてくると、何速で走っていてもスロットルワークだけでピッチングモーションをコントロールできるようになってくる。大柄な車格が信じられないほど軽く切り返し、そのダイナミックなハンドリングの虜になる。
電子制御はスイッチでも操作可能だが、メーターのタッチパネルでも様々なモードを呼び出せる。その操作に複雑さはない
こう見えてレーサーレプリカ
でも、スポーティなのは当然だろう。FTRはフラットトラックレーサーの意味だ。アメリカで人気のフラットトラックレースではハーレーダビッドソンを破り、圧倒的な強さを誇っている。フロント19、リヤ18インチのホイールサイズは、ロードバイク乗りには馴染みのないサイズだが、17インチよりも難しさを感じさせないキャラクターだ。
ネイキッドなのにレーサーレプリカ……、そのギャップが面白いがその名の通り、とても真剣に走りを追求している。
インディアンはアメリカのフラットトラックレーサーにファクトリー参戦。そのレプリカがFTR1200シリーズなのだ
走るほどに身体に馴染み、その大きさを感じなくなってくる。フラットトラックレーサーだけにトコトコとゆっくりペースなら未舗装路も楽しめる懐の深さで、距離を走るほどにFTR1200が身体にフィットしてくる。どんどん楽しくなってきて、疲れさえ吹っ飛ぶ。
どこにいても注目される
ガソリンスタンドに入ると女性スタッフの方から「写真撮ってもいいですか?」と声をかけられた。
「普段はオートバイに興味はないんだけど、これは素敵なバイクね」彼女は何枚も写真を撮って車名をメモしていた。
実は都内を走っていても何人かの方に撮影されたことがあるし、声をかけられることが多い。FTR1200はライダーだけでなく、一般の方にも訴えかける“特別な力”を持っているような気がしてならない。
FTR1200はどこに行っても大人気。いろいろな方が注目してくれる。車名を忘れちゃうから、とメモを取るがなぜか“r”だけ小文字……
アメリカ製のバイクがここまで来ることを誰が想像できただろう。
まずはディーラーなどで試乗して、新しいスポーツネイキッドの魅力を、感じ取っていただきたい。
RIDE HI No.2ではFTRシリーズを12ページで特集しています
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SPEC
- フレーム
- スチールトレリス
- 車両重量
- 227kg
- ブレーキ
- F=φ320mmダブル R=φ260mm
- タイヤサイズ
- F=120/70R19 R=150/70R18
- シート高
- 853mm
- 燃料タンク容量
- 13L
- 価格
- 236万6,400円(レースレプリカ)
248万8,000円(カーボン)