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このバイクに注目
KAWASAKI
BALIUS
1991~1996model

250ネイキッドで1番人気はレッドゾーン19,000rpmと大きめのクランクマスで街中が俊足のBALIUS!【このバイクに注目】

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KAWASAKI

ゼファーと違い狙いは時空を超えた先進性と普遍性!

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1989年、カワサキは400cc4気筒のZEPHYR(ゼファー)でネイキッドブームを巻き起こした。
そして1991年に、今度は250ccクラスにも4気筒のネイキッドを投入、ZEPHYRと同じくギリシャ神話からアキレスの愛馬BALIUS(バリオス)と名付けて250でも他を引き離す人気で、しかも16年ものロングランとなる大ヒットとなった。

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エンジンは空冷のように冷却フィンが刻まれているが、実は水冷で1989年にレプリカとしては最後発でデビューしたZXR250RのDOHC16バルブ4気筒がベース。
実はカワサキはレプリカブームでは最後発で、ピークを過ぎてから1989年に49mmの小さなボア(燃焼室=シリンダー内径)とストロークが33.1mmの高回転用に超ショートストロークに設定、吸気2本排気2本の気筒あたり4バルブ、合計で16バルブを駆動する水冷DOHCのハイメカをそのまま受け継いでいる。

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そのためBALIUS(バリオス)に搭載されても、45PS/15,000rpmと自主規制値上限のパワーをキープ、レッドゾーンは何と19,000rpmからで18,000rpmまで引っ張ると耳をつんざくレーシングサウンドが響き渡る。
ところがクランクのフライホイールマスを、街中のトルクと使いやすさを狙い23%増加、吸気側のカムタイミングを300°→284°へと変更、さらに4into1の排気系で連結と取り回しなど、低中速でレスポンスを良くするチューンを徹底した結果、街中ではZXR250Rより速いと言われるほどの俊足ぶりとなった。
400のZEPHYRは性能なんて二の次で売れまくったことから、続く他社の250ネイキッドもこれに倣って刺激を求めないライフスタイル重視のキャラクターを狙った。
400のZEPHYRは性能なんて二の次で売れまくり、続く他社の250ネイキッドもこれに倣ってライフスタイルなど刺激を求めないキャラクターを狙っていた。
しかしカワサキBALIUSだけは「やんちゃ」ができるパフォーマンスで、250ccのパワーならビギナーでもその気になれるというのも功を奏していた。

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フレームは38mm径の高張力鋼管によるダブルクレードルで、スイングアームは75mm×32mmのアルミ角断面と、高剛性ながら軽量にまとまり乾燥重量は見た目には信じられない141kgしかない。
そして当時ではワイドなフロント110/70でリヤが140/70の前後17インチ。
多少ワイドな燃料タンクで400ccクラスの量感を伝えながら、落ち着きのあるハンドリングと745mmのシート高で親しみやすさからビギナーにも好評だった。
水冷でもサイドカムチェーン側も含め冷却フィンを左右に刻み、大容量ラジエーターには大柄な導風シェルを目立たせるデザイン。
それでいて、カタログではパフォーマンスのイメージを出さず、ひやすら硬派な雰囲気を貫き通し、コンセプトだった先進性と普遍性とを謳うキャッチコピーで差別化をアピールしてみせた。

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こうして前のめりな斬新なデザインや、懐古趣味のトラディショナルにも目もくれず、デビュー以来の風貌を変えないことがライバルたちとの大きな差となり、圧倒的な支持の違いを生んでいた。
カラーバリエーションもカワサキらしく毎年のように新色をリリース、暫くは安泰のトップセラーに位置していた。

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とはいえ、追撃の手を緩めないライバルに対抗するため、1996年にリヤサスをトラディショナルな2本へと変更したBALIUS IIを発表、微妙にライポジを調整したりとカワサキらしい痒いところへ手が届く改良も施し、さらに10年後の2007年まで継続生産されるロングランモデルとなったのだ。

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