kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_main.jpg
このバイクに注目
KAWASAKI
GPZ400R
1985~1989model

GPZ400Rはいきなりの水冷とフルエアロカウルの独自フォルムが衝撃だった!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

Ninja900の大改革とは別次元の新たな400ccスーパースポーツへの挑戦!

kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_01

カワサキは世界でビッグバイクの成功を収め、日本国内でもメジャーな400ccクラスで1979年のZ400FXにはじまりGPz400Fへと、空冷DOHC400cc4気筒で他をリードできる実績を積んできた。
しかしリッターバイクも400も、ライバルは水冷化でパフォーマンスを高めるフェーズへと移行をはじめ、カワサキもいつ次世代へのチャレンジをはじめるのか、空冷4気筒の評判が高いことも訣別を躊躇させていたが、水冷の全く新しいNinja900がリリースされたことで、そのタイミングがやってきたのを意識させていた。
果たして1985年に登場したGPZ400Rは、エンジンを水冷化したDOHC16バルブ4気筒としただけでなく、CdA値0.29以下のフラッシュサーフェイス化したエアロフォルムのフルカバードボディを纏いファンを驚かせた。
Ninja900が、とにかく世界最速を狙い暫く優位性を保てるコンパクトなエンジンや車体まわりだったのに対し、GPZ400Rは次世代のスーパースポーツのあるべき姿として、パフォーマンスにツーリングを意識した構成へ的を絞っていた。
そしてこれはその後のフラッグシップ、ZZ-R1100にも通じるコンセプトのスタートでもあったのだ。

kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_02
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_03

フラッシュサーフェイスのため3次曲面としたヘッドライトレンズから漂う本気度は、CdA値を0.29以下に収めたフルカウルボディとオールアルミのALクロスフレームまでを一体化するトータルデザインを形成。
さらに前後16インチのタイヤはワイドで前輪は外径が17インチ相当で、リヤはさらい太く18インチに近く、それでいて全体は低重心化を進めた革新的な仕様だ。
この低く地を這うような乗り味が、GPZ400Rを乗りやすいといわせる狙いでもあり、デビューから2シーズンを400ccクラスでトップセラーの位置を獲得してみせた。

kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_04
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_05
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_06

初の水冷化されたエンジンは、何と1979年以来をベースに全面的に刷新、たとえばコンパクト化で他が採用する背面ジェネレーターを駆動ロスを生じると嫌い、全幅を狭めるためジェネレーターのコイルをクランクケース側へマウントし、ローターとの位置関係を変え同じクランクシャフト長でもエンジン幅を40mmも狭めている。
また全長方向でも残っていたキックシャフト部分の撤去や、ブリーザー室スペースをミッション上部へ設けるなど同様に40mm近い短縮化をはかった。
スペック的にはボア×ストロークを空冷より1mmボアを拡大、56mm×40.4mmとショートストローク化して、398ccは59PS/12,000rpmと3.6kgm/10,500rpmを発揮、しかも思いきりコンパクト化したことから水冷なのに1kg軽量化している。
ただ重量的に嵩張るメイン(センター)スタンドを、ツーリングバイクとして装備するなど、レプリカ系にはない重量増で乾燥重量でも176kgと実用性を重視していた。

kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_07
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_08
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_09

この大型バイクに近い車格と相俟って、ALクロスと称するアルミフレームは、エンジン前方まで延ばして運動性と剛性バランスの良さ(ピボットまわりの分担強度を軽減)を実現、走れば軽快で扱いやすいハンドリングと好評だった。
実は600cc版のGPZ600Rは、海外の事情(厳冬で凍結防止剤がアルミフレームを錆びさせてしまう)からスチールフレームで、カウル前方を通る部分がカウルステート600のみのオイルクーラーのマウント用でボルトオンされていたのに対し、GPZ400Rのアルミはフレーム強度として溶接されているという大きな違いがあった。
何と日本国内向けが開発のメインストリームで、600版が追加バージョンという稀な例でもある。

kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_10
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_11
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_12
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_13
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_14

このライバルメーカーも驚く、フルカバードでレーサーレプリカ的でもない仕様にもかかわらず、2年間トップセラーを維持した人気にライバルが驚いたのはいうまでもない。
しかしこの人気が、後継として投入したGPX400R、さらに続くZX-4をもってしても凌げず、GPZ400Rを1989年まで併売するという異常事態も生じていたほど。

kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_15
kawasaki_gpz400r_1985-1989model_20260217_16

またこのGPZ400Rと共通のエンジンを搭載したネイキッド、FX400Rも1985年からリリースしていたが、その存在も知られないほど注目を集めなかった。
何れにせよ、レーシーなバイクが益々メジャー化していく流れにあって、独自路線でツーリング優先のコンセプトにユーザーが賛同していたのが忘れられない。
それが後にZZ-R400という、日本ではツーリングバイクはヒットしない定説を覆す前提をつくるきっかけにもなったのだろう。