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このバイクに注目
KAWASAKI
ZX-12R(ZX1200A / B)
2000~2006model

ZX-12Rのエンジン上を通る独創のモノコックフレーム!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

最速奪還にどれとも似てない独創性を貫く!

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2000年に登場したZX-12Rは、スズキがHAYABUSAで300km/hオーバーの最速を誇ったことで、フラッグシップとして君臨してきたカワサキがその座を奪還するための戦略マシンだった。
それもトップパフォーマンスを具現化するために、他にはないテクノロジーで圧倒する個性でなくてはならない命題を負っていた。
320km/hを目指し新設計されたエンジンは、巨大なボア径の83.0mm×55.4mmで1,199ccから178PS/10,500rpmとまさに最強。
しかも最大トルクは13.6kgm/7,500rpmと、凄まじい力量を中速域から発揮するまさに化け物エンジンだ。

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このエンジンは、車体を構成する強度メンバーとして設計されており、エンジンの両側を湾曲して包む込む、いわゆるツインチューブではなく、エンジン上部にバックボーンを配したアルミのモノコック構造として、車重を僅か210kgに抑えることに成功していた。
さらにリヤタイヤは、最大幅が200/50でZR17のウルトラワイドなサイズ。
そして航空機メーカーならではの、半端なく継ぎ目をフラッシュサーフェース化したカウルと、ダウンフォースを意識した小さなフィンと、320km/hを意識させるフィーチャーのフォルムをみせていた。

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ホイールベースは1,440mmで、1200ccのフラッグシップとは思えない短さ。コーナリング・パフォーマンスでレプリカ系に負けないロードホールディングの、どんなシチュエーションでも闘える仕様が込められていた。

1,199cc、178ps、210kg、320km/hの猛烈な世界!

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果たしてそのパフォーマンスは、Ninja900から1000RXの次元を遥かに凌ぎ、ZZR1100を経験したライダーにも想像を絶するレベルにあった。
5,000rpmも回せば、200サイズのリヤタイヤがたまらずブラックマークを路面に擦り付ける強大トルクで、高回転域まで引っ張れば瞬く間に200km/hを超えグングンと加速する地上最強マシンを体感させるモンスターだった。

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ただこの超軽量で超コンパクトな車体構成と、ウルトラハイパーなパワーソースとの組み合わせは、相対的に高剛性というよりビクともしない頑固な車体といった傾向が強く、いわゆる従順でしなやかなハンドリングとはならず、乗り手にとって手強い関係のマシンという印象を与えていた。
軽量でエンジンの両側にフレームのない運動性で、リーンのアクションは鋭いものの、ピタッと路面に押し付けられてからのグリップは強大で安定していたが、そこまでの過渡特性が腕に自信のあるライダー向けという難しさを伴う。
このため、やはりフラッグシップとレプリカは統合せず、それぞれの走りとライダーの傾向に合わせた特性としたほうが良いとの結論を得て、ZZR1200→ZZR1400へと進化を辿っていくことになった。