テールデザインでトラディショナルから新世代を意識させる!

1992年に発表後、実に30年間という史上まれにみるロングセラーだったCB400 SUPER FOUR。
その経緯にはいくつか節目となるモデルチェンジが存在したが、今回は2003年モデルからスタートしたSpecIIIについて紐解いてみよう。


様々なネイキッド・スポーツが乱立した中、ホンダらしいパフォーマンスとクオリティで瞬く間にリーダー的存在へ駆け上がったCB400 SUPER FOURを、さらに絶対的な存在へと押し上げたのが、ご存じHYPER VTECを搭載した1999年モデル。
それがSpecIIを経て、SpecIIIとなって最大の違いはテールカウル形状の変更。



メカニズム的なほうでは、VTECがトップギヤだけ6,750rpmまで切り換わらない仕様となったこと。
それまで6,300rpmまでは気筒あたり4バルブの、吸気と排気でそれぞれ1バルブを休止、低い回転域での充塡効率を高め粘るトルキーな特性が得られて、高回転域になると4バルブすべてが稼働して伸びやかでパワフルなピークパワーが楽しめるチューンだったが、高速道路での燃費をカバーするため巡航では2バルブの範疇としたのだ。


実は2002年にそのバルブの切り替えタイミングを、6,750rpm→6,300rpmへとより頻繁に変化を楽しめるよいにしたHYPER VTECSPEC IIへと進化、これを2003年モデルでは、バルブ切り替えタイミングを6速のみ、6,750rpmへと変えたSPEC IIIとしたのだった。
ほぼ日本国内に限られる400ccネイキッドでは、このようなハイメカニズムの搭載は生産台数からして難易度の高い仕様で、そうしたメリットをもたらし明確に他との差をつけたホンダCB400 SUPER FOURの独壇場状態は益々明確になっていた。


2005年にかつてのCBX400カラーをスーパーボルドールと共に加えたが、それから2年後に排気ガス規制などへの対応で、遂にキャブレターからF.I.(電子制御燃料噴射)化され、これを機にHYPER VTECもスロットル開度でも切り換わる回転域をスライドするよりデリケートなRevoタイプに進化を遂げている。
とはいえ、やはりキャブレターならではの僅かなタイムラグがあったり、中速域からピークの高回転域までの粗っぽさなど、人間の感性へ訴える強さが違うとこだわるライダーも少なくない。
そうした意味で、ラストのキャブ世代としてSpecIIIが基調な存在として語り継がれている。