本格オフロードモデルDT系を原付のちょうど良いサイズでリリース!
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ヤマハは1968年、250ccの大きな排気量で初のオフロード用2ストローク単気筒エンジンを搭載した画期的なDT1をリリース、以来125ccから360ccに90ccなど幅広くオフ系モデルを展開。
そうした流れに1971年、FT50とDT系ではないミニサイズのトレールモデルも発売、また50ccスポーツが人気だった状況に、1972年オンロードスポーツのRD50と兄弟車でオフ系スタイルのMR50もデビューした。
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そこにヤマハは前輪15インチに後輪14インチと、全体に小柄なサイズへデフォルメしたGT50/80をリリース。
ミニサイズで人気だったFT50ではロータリーディスクバルブだった世代のエンジンから、新たにピストンリードバルブとDT系に倣ったMRと同じエンジンを搭載、そしてサイズ感が原付50ccの華奢に見える空間がない、小さな車体へ凝縮されたバランスも良く、高校生からむしろオトナの普段づかいでも違和感がないなど、年齢や性別を越え「ミニトレ」の愛称と共に人気に火がついた。
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エンジンは2ストローク単気筒で、40mmボア×39.7mmストロークの49cc、4PS/7,500rpmと0.45kgm/5,000rpmの扱いやすく力強さも充分。
タンデムできて速度制限も高い80cc版も併売され、前15インチに後15インチの小径とホイールベース1,045mmで車重62kgのサイズ的に重宝する使いやすさが好評だった。
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デビュー後、暫くはグラフィック変更のみだったが、1977年に5速ミッションへと1速増えたマイナーチェンジを受け、1979年にはリヤサスを2本ショックからヤマハお家芸のモノクロスの1本へとフルモデルチェンジ、続く1980年ではスイングアームを角断面としてGT50は5PSへパワーアップ、その後は1982年までグラフィック変更のみで生産が続いた。
このミニトレの普及が、目立ちにくかったオフロードモデルへの認識を高めたのは間違いない。
さらにこのGT50/80のサイズ感から、前後12インチのYSRなどミニサイズのオンロードスポーツが登場する気運をつくるなど、ミニトレの貢献度ははかりしれないモノがあった。