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R12系に魅力的なG/Sが加わる!【What's New】

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BMW
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あのR80G/Sコンセプトを復活、
R nineT Urban G/Sから原点のGelände / Straßeへ!

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BMWは3月末にこの夏頃にデリバリーが予想されるR12G/Sを発表した。
ここで注目したいのは、車名がGSではなくG/Sとスラッシュが入っていること。
これは1980年に登場したR80G/Sに由来、従来のR nineT Urban G/Sを原点復帰させたUrbanではなくもう少しオフロード要素を強めたコンセプトだ。
BMWは日本勢の台頭で二輪車からの撤退を考えたほどシェアを失った頃、アフリカの砂漠を突っ走るパリダカール・ラリーが世界の注目を浴び、日本メーカーもワークスマシンを開発して覇を競っていた。
それを見たBMWは、これぞ出番と空冷ボクサーR80ベースのマシンで出場、超高速で他を引き離し見事に優勝したのだ。
第二次大戦のアフリカ戦線で、戦車部隊を率いるドイツ陸軍は砂漠でめっぽう強かった。それは砂で起伏した中、車体が潜ることなく安定して走れるボクサー軍用バイクが丘陵から敵戦車の位置を正確に伝えていたからで、業を煮やした米軍はハーレーダビッドソンに命じて水平対応ボクサーのコピーバイクをつくらせたほど。
そんな40年前のパフォーマンスなど人々はすっかり忘れていたのだ。

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このG/Sで息を吹き返したBMWは、ツーリングモデルとして重装備が似合うことからアメリカを中心に大流行となり、排気量もR100からNewボクサーでR1100~水冷1250GSへと進化、遂にDOHCの1,300ccものスーパーパフォーマンスに君臨しているのはご存じの通り。
ただそこまでのパフォーマンスを欲しないユーザーに向け、従来の空油冷世代エンジンでもG/Sは継続していて、最新ではR nineT Urban G/Sとなっていた。
とはいえ徐々にストリートスクランブラー然となり、街中メインのモデルに近くなり過ぎたようで、あらためて「Gelände / Straße」(ドイツ語でオフロード/ストリートの意味)のネーミング原点に立ち返ったモデルとして、このR12G/Sをリリースしたという。

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両車を比較すると、若干だがオフロード・コンセプトに近づけているのがわかる。
最大の違いは前輪が19インチからオフロード専用イメージの21インチへと大径化されたこと。
これに伴いサスペンションもストロークを大きく伸ばし、リヤサスも仕様が変わっている。
エンジンは、R 12クルーザーやR 12 nineTロードスターに搭載されているものと同じ、1,170cc空油冷ボクサーを搭載、7,000rpmで109馬力、6,500rpmで115Nmのトルクを発揮する。
フレームはR 12シリーズ共通の一体型鋼管ブリッジスチールスペースフレームで、オフロードの姿勢と扱いやすさのためステアリングヘッド部分をより高く前方に移動している。

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サスペンションはフロントにマルゾッキ製のφ45mm倒立フォークを装備、フルアジャスタブルの仕様でリヤサスもパラレバーにストロークを大幅に伸ばした設定と、Urban G/Sとは大きく違っている。
また冒頭の画像のようにエンデューロ・パッケージ・プロ仕様もあり、タイヤ空気圧モニタリングシステムなど、オプションパーツも多数用意される。

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R12G/Sには、レイン、ロード、エンデューロの3つのライドモードを標準装備。さらにエンデューロパッケージプロオプションとして、エンデューロプロも選択可能だ。
標準モードでは、スロットルレスポンスに加え、ダイナミックトラクションコントロール(DTC)、エンジンドラッグトルクコントロール(MSR)、前輪リフト検出、アンチロックブレーキシステム(ABS)の設定が調整できるのと、ABSはバンク角に順応し後輪のABSをロックさせてスライドできるようオフにすることも可能。同様にオフロード走行時にはDTCシステムを無効にすることもできる。

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R12G/Sの日本への導入時期や価格は未定。最新情報はお近くのディーラーでお確かめを!