What's New

2023年からドゥカティがMotoEサプライヤーに!伝統の内燃機から革新の電動モーター、カーボンニュートラルの時代へ……。

moto-e_ducati_211022_main.jpg

まさかドゥカティがMotoEのサプライヤーになるとは……!

ドゥカティは、2023年からFIM Enel MotoE World Cupのマシンサプライヤーになることを発表。

これまで、電動自転車などは海外で販売してきたドゥカティ。電動バイクを匂わせる発表はほとんどなかっただけに、2023年からMotoEのサプライヤーになるという発表には驚いた人も多いだろう。

スクーターなどの市販車からではなく、レースというハイエンドな技術が求められる領域から電動バイクを始める。その本気度とレースという場を開発のなかでいかに大切なポジションに置いているかがわかる。

フォルクスワーゲングループであるドゥカティは、グループが掲げる「遅くとも2050年までに完全なカーボンニュートラルな企業になることを目指す」という電動化を含めたカーボンニュートラルへの道を着実に歩んでいるのかもしれない。

いずれにせよ、どのようにして開発していくのか、どんな電動バイクが出てくるのか、今後の展開が楽しみだ。

moto-e_ducati_211022_01

「PANIGALE E」そんな名前になるのかなど妄想が膨らむ。ドゥカティがどんな電動バイクを作ってくるのか楽しみだ

moto-e_ducati_211022_03

フォルクスワーゲングループが掲げるカーボンニュートラルの目標

以下、プレスリリースより一部抜粋。

  • 2023年から2026年までのMotoE World Cupシーズンにおいて、ドゥカティとドルナ・スポーツが契約を締結
  • ドゥカティ・モーター・ホールディングCEO クラウディオ・ドメニカーリ:「ドゥカティは常に未来に目を向けており、新たな世界に参入するたびに、可能な限り最高のパフォーマンスを発揮する製品を生み出してきました。ドゥカティは、FIM Enel MotoE World Cupに参戦するすべてのチームが、軽量で高性能な電動モーターサイクルを利用できるようにするために取り組んでいます」
  • ドルナ・スポーツCEO カルメロ・エスペレータ:「ドゥカティが、FIM Enel MotoE World Cupの新たな専属メーカーとなることを発表することができて大変光栄です。ドゥカティは、レースにおける栄光の歴史を持った企業であり、パドックでもっとも良く知られたメーカーでもあります。ドゥカティによる今回のコミットメントを歓迎すると同時に、この新たな挑戦に一緒に乗り出せることを誇りに思います」

2021年10月21日 ボルゴパニガーレ(イタリア、ボローニャ)
ドゥカティの電動化の時代が幕を開けます。ドゥカティは、2023年シーズンから、MotoGP ™世界選手権の電動バイク・クラスである、FIM Enel MotoE™ World Cupにおける唯一の公式サプライヤーとなります。

もっとも権威ある国際二輪レース選手権の主催者およびプロモーターであるドルナ・スポーツとの間で締結された契約は、2026年まで続きます。したがって、ドゥカティは、2023年から4シーズンにわたって、MotoE World Cup用のマシンを供給することになります。

今回の契約は、イタリアのボルゴパニガーレを拠点するドゥカティにとって歴史的な第一歩となります。ドゥカティはこれまで、モータースポーツをテクノロジーとソリューションの実験室とみなし、レースの世界で得たノウハウを量産バイクへとフィードバックしてきました。この伝統に従い、将来的な電動モーターサイクルの世界にも、MotoGP ™世界選手権の電動バイク・クラスという、もっともスポーティなセクターをスタート地点として参入することが可能になります。

その目標は、レースでの経験を通じて、電動バイクのような絶えず進化する世界で専門知識を蓄積し、テクノロジーを開発することです。このようなドゥカティの伝統は、革新的な水冷2気筒4バルブ・エンジン、電子燃料噴射システム、新開発されたツインシャフトを搭載してモーターサイクルのコンセプトに革命をもたらし、ドゥカティ・ロードスポーツバイクの一時代を築いたドゥカティ851から始まりました。このモーターサイクルも、1986年にフランスのル・カステレで開催された耐久レースでデビューしたレーシングマシン、Ducati 748 IEからそのテクノロジーがフィードバックされています。

それ以来、その伝統は現在に至るまで引き継がれています。ドゥカティは、1988年に始まったスーパーバイク世界選手権の最初のシーズンからレースに参戦しました。その後、MotoGPに参戦したドゥカティは、日本車以外でワールド・タイトルを獲得した唯一のメーカーとなりました。

レースと量産モデルとの関係は、最新の製品ラインナップを見れば明らかです。ドゥカティのV4エンジンは、ボアXストロークの数値から、カウンター・ローテーティング・クランクシャフトの採用に至るまで、その構造哲学全体を、2015年にデスモセディチGPに搭載されてデビューしたエンジンから受け継いでいます。その後、新型ムルティストラーダ V4に搭載されたV4 グランツーリスモは、パニガーレ V4のエンジンから派生しました。すべてのビークル・コントロール・ソフトウェアも、レースの世界で開発されたものから直接フィードバックされています。エアロダイナミクスの分野は言うまでもありません。

レースの世界で開発されたテクニカル・ソリューションを製品ラインナップに移植することにより、ドゥカティは極めて高性能で、卓越したライディング・プレジャーをもたらすモーターサイクルを提供することが可能になっています。FIM Enel MotoE World Cupもこの点で例外ではなく、このチャンピオンシップに参戦するマシンを製作することで、スポーティで軽量かつパワフルな電動バイクに適用される最高のテクノロジーとテスト方法を開発することができます。

同時に、ドゥカティは、2030年までに電動化モデルを製品ラインナップの主力とする「New Auto」戦略を掲げるフォルクスワーゲン・グループの一員でもあります。この戦略は、電動パワートレインへと変化を遂げるための最善の道筋を示しています。

今回の合意の発表は、ミザノ・ワールド・サーキット“マルコ・シモンチェリ”で開催されるMotoGP第16戦のエミリア・ロマーニャ&リビエラ・ディ・リミニGPの前夜に行われた共同記者会見で行われました。この会見には、ドルナ・スポーツ最高経営責任者(CEO)のカルメロ・エスペレータとドゥカティ・モーター・ホールディング最高経営責任者(CEO)のクラウディオ・ドメニカーリが出席しました。

moto-e_ducati_211022_02

ドゥカティのCEOクラウディオ・ドメニカーリ(左)とドルナのCEOカルメロ・エスペレータ(右)