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ビンテージメーカーREは世界最新最大規模の生産クオリティだった!【What's New】

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Bullet 350 ワールドローンチを工場で発表!

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既にお伝えしたように、ほぼ1ヶ月前にロイヤルエンフィールドはBullet 350のワールドローンチを、インド南東部のチェンナイで開催した。
ここにはインド本社と併設されているテクニカルセンター、いわゆるR&Dと、敷地は離れているがふたつの工場が稼働するまさしく本拠地。

世界中から招聘されたジャーナリストはそのR&Dと、350系を年間60万台生産可能なバラムバタガル工場を視察、新Bullet 350はその生産工場で初めてラインオフしてくるセレモニーを兼ねての発表だった。

取材ツアーはテクニカルセンターのデザイン部門からスタート。
ロイヤルエンフィールドは発祥の地である英国にもテクニカルセンターがあり、デザイン部門はこの両方にあって、チェンナイではイヤーモデルのグラフィック変更やバリエーションの造形を担当しているとのこと。

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そして圧倒されたのが、テクニカルセンターで製品管理の要となるシミレーターの数々。
クラッチやブレーキの各レバー操作を機械化された装置でこれでもかと繰り返し操作していた。
ミッションやサスペンションなど、実際に走行したデータをもとに壊さんばかりのバンピーな動きや無理やりギヤシフトするなど、テスト車輌は劣悪な状況におかれていた。

また開発部門では設計からテストまで、広大なスペースでいかにもチャレンジしたくなる若々しい空気に包まれているのが印象的だった。
因みに公開はしなかったが、eバイク部門もあって、テクニカルセンターにいるとビンテージなバイクを得意とするメーカーであることを忘れてしまいそうになる。

真新しい設備の揃ったいかにも新世代な工場!

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そして向かったバラムバタガル工場。
真新しい広大な工場は、NC旋盤がズラリと並ぶ加工ゾーンがあり、クランクシャフトやクランクケース、さらにはシリンダー類に至るまで、マシニングで自社仕上げしてからアッセンブリーへと持ち込む、効率と精度の高さで間違いなく世界のどこでも通用するクオリティなのが見て取れる。

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そうかと思えば、燃料タンクなどロボットによる完全自動化での塗装工程であるのに、Bulletのように俗に子持ちラインと呼ばれるピンストライプを手描きしていたり、趣味商品としてのこだわりを忘れていないフィロソフィにも頷かされる。

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まだラインを増やせる潜在力と世界へCKD生産で攻勢をかけていく戦略!

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アッセンブリー(組み立て)は、エンジン単体のラインでのコンピューター管理による作業ミスを抑える仕組みなど、手組みの工数を大幅に減らした方式の淡々とした流れ作業は圧巻だった。

そして最終の車体へのエンジン搭載から補機や艤装が、車輌間隔が詰まった状態でみるみる組み上げられていくペースの速さは、まるで小排気量の部品点数も少ないスクーター並み。

ロイヤルエンフィールドはご存じのように、350cc以上のスポーツバイクしか生産していない。
それでこの生産ピッチは世界でも類のないことなのは間違いない。

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しかもこのバラムバタガル工場、アッセンブリーラインがまだもう1本、いやもう2本を敷設するスペースが確保されているではないか。
主に650やヒマラヤなどを生産する、もうひとつのオラガタム工場でも年間60万台が可能で、現状でも合わせて年間120万台のポテンシャルということになる。

さすがに中型以上のスポーツバイクでこの数は、他のメーカーには考えられないレベルにある。

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最後にラインオフしたバイクは、シャシーダイナモでのチェックの後、工場外のテストコースを自走して完成検査を終える。

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またロイヤルエンフィールドでは、タイ、コロンビア、アルゼンチンに加え、ブラジルにもCKD(コンプリートノックダウン、組み立て部品すべてを輸入する方式)工場があり、世界の中型クラスを席巻してしまう勢いだ。

ビンテージのラインをベースにラインナップを組んでいるロイヤルエンフィールドが、これほどの生産量を維持できるのも、最新設備への投資を惜しまず、既に馴染みのあるマーケットのある国では、圧倒的なシェアを誇る信頼度の高さによるところが大きい。
日本でも徐々にこのクオリティと優れたハンドリングの評価が定着しつつある。今後に目を離せないブランドであるのは間違いない。

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