カーブの曲がり具合に沿って旋回するのは不可能!

夏を予感させる陽射しにツーリングの季節の真っ只中を感じる今日この頃。
でもワインディングで、山肌や草木がコーナーのイン側を遮って見えないブラインドカーブになると、先が見えない警戒感からスロットルを開けたり締めたり、リーンもフラフラしがちでリズムも狂う……そんな感じで、ストレス溜めてませんか?
リスクを避けて、カーブの曲がり具合に合わせて走行すれば何とかなる? いやいや止まる寸前の速度ならともかく、制限速度を大きく下るスピードでも道路の縁が迫ってくる恐怖と背中合わせ。
なぜならオートバイは素早くリーンしてもすぐ反応できず、いきなり曲がったりできない性質の乗り物だからです。

ではどうすれば刻々と変わるカーブの種類に対応できるのか?
それにはオートバイの特性に逆らわない、複合カーブをいくつかの組み立てにする走り方が向いています。
このカーブが曲がりはじめている箇所で、ご覧のように鋭角的に曲がる走り方は、皆さんが曲がり角を左折するときのコツに似ています。
つまり曲がる寸前に軽くフロントブレーキをかけ、ブレーキを緩めながら視線を曲がるほうへ向けると、小さく小回りしてくれる、あの走り方と同じだと思ってください。


ちょっとスピードが出てくると、ブレーキをバイクが起き上がる反力を生じるのを、いわば逆利用する乗り方が可能に。
つまりブレーキをかけてバイクを起きようとしている状態で、体幹移動で予めイン側へ重心をさげておき(ブレーキの反力で車体は傾いていません)、ここぞという地点でブレーキをスッと解放すると、まるでスイッチが入ったようにカクッと進路を変えます。
これは操作の抜き加減などコツもいるので、最初はハンドルでちょっとコジって曲げても良いと思います。

そしてこの「くの字」に向き変えしたとき、いわゆるバンクして旋回するカタチにハメないこと。
次の向き変えタイミングがやってきても、すぐ対応できるよう浅いバンク角のまま進んでいくのもひとつのコツです。
あくまでも体幹(骨盤あたりの重心)をイン側の下方へ移動(落とすといったほうが近い)で、緩い旋回を続けていくイメージ。
外側の太ももや膝頭で僅かにジワッと(筋肉が収縮すると接触面が減るので皮膚がズレる程度)シートや燃料タンクをグリップしているとわかりやすい効果を感じられます。

この軽くブレーキをかけながら、解放のタイミングで「くの字」に向き変えできるようになったら、ご覧のようにコーナーの入り口でアウト側に寄ってから曲がりはじめる「アウト→イン→アウト」ではなく、むしろ少しイン側に寄ってコーナーへ入ってしまえば、中で先の曲がり具合がよく掴める地点へ辿り着き、その先のどこで「くの字」に向き変えできるかを決めやすくなります。
これを繰り返していけば、どんなブラインドコーナーも、そして途中から曲率が変わる複合コーナーも、リスクなく攻略することができるというワケです。
このところYouTubeのライドレクチャーで走っているシーンは、この走り方の説明なのでネモケンかイントラの岡谷知香の走りをご自身で確かめてみてください。
心配のあまり路面を注視すると却って余裕がなくなる!

ただこういう先を見て「くの字」に向き変えするポイントを捜す走りには、視線をどう送っていくかに工夫が必要になります。
なぜならライダーはキャリアが浅いほど、手前の路面へ視線を落としがち。
そんな至近の真下を見ても、たとえば段差や穴ボコを見つけても除けようがなくショックをハンドルに感じていると思います。
でも不安な気持ちからこうなるので仕方ないのですが、先ずはできるかぎり遠くを見ている癖をつけましょう。


そして次に視線で一点を見つめず「間接視野」というある意味漠然と引いて見ている感覚で捉えるようにします。
一点を凝視すると、バイクが進むにつれ見ているポイントが手前に来てしまい、また先へ視線を送り直すということになり、これは見えていても大袈裟にいえば半ばブラックアウトしたかのような不安な箇所を生じてしまいます。
「間接視野」には慣れや訓練も必要なので、映画館で大きなスクリーンの右下や左下の隅っこっを意識しながら視線は凡そ前を向いている……そんな練習も効果があります。
このあたり、YouTubeのライドレクチャーで#111に詳しく様々なシチュエーションへの対応をお見せしています。ぜひご覧になってください!

「ブラインドでカーブの大きさを見立てるアプローチ」|RIDE LECTURE 111|RIDE HI
https://www.youtube.com/watch?v=JPtUT-HVMEg



