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このバイクに注目
KAWASAKI
250SS KH250
1972~1982model

KH250の希少な2スト3気筒は海外でも評判に!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

マイノリティ好きにはたまらない2スト250で3気筒、
走りに刺激はなかったけれど海外でもファンが少なくなかった!

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カワサキが世界進出の勝負球として、500ccで2ストローク3気筒のマッハIIIをリリースしたのが1969年。
トップスピード200km/h、0-400mを12秒で駆け抜け、スロットルを全開にすると瞬く間にウイリーする、超弩級のモンスターマシンは世界中から注目を浴びた。
この勢いに世界へカワサキの名を一気に轟かそうと、いっぽうで初の4スト900cc4気筒のZ1を準備しつつ、看板のマッハには2スト3気筒シリーズとして750ccのマッハIV、350ccのマッハII、そして1972年にはラストバッターの250ccマッハI(250SS)を投入したのだ。

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1973年のS1Aから北米と続いてヨーロッパに海外でも発売となった250SSは、350の車体にボア45mm×ストローク52.3mmの249cc3気筒を搭載、デビュー時は32PS/8,000rpmと3kgm/7,000rpmのパフォーマンスだったがS1Aから乗りやすさへの調整で31PSと2.7kgmへと若干パワーダウン、1974年のS1Bでは排ガス規制対応で28PSとさらにマイルドなエンジンとなっていた。
気筒あたりが小さい250ccの3気筒は、さすがに低い回転域ではスロットルのレスポンスも鈍く、5,000rpm以上回さないと走らない非力な感じが否めなかった。
それでも250ccでは世界初の空冷2ストローク3気筒エンジンは人気で、先行していた350を凌ぐまでになったのだ。

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そして1976年、前輪にディスクブレーキを装着、3気筒シリーズ全体で車名をKHシリーズとしたのに呼応してSS250はKH250となった。
エンジン性能など変わらずでも、シリンダーとヘッドの冷却フィンを面積を拡大するなど世代更新でSSとの差別化がはかられた。

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2ストローク3気筒は、国内向けでも120°クランクが均等間隔で点火・燃焼するため振動もなく、柔らかい独得の排気サウンドを奏でるライダーに優しい印象がビギナーにも好評で、爆発的ではないもののファン層を拡大していた。
ただかなりの白煙を吐くので、街中のアチコチでたなびく煙と匂いを嗅ぐことが増え、仲間とのツーリングでは最後尾を走るエチケットが求められていたほど。

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海外でもこのマイノリティな2スト3気筒でしかも250ccという特異性に注目され、そのソフトな乗り味から女性ライダーを含めフランスやドイツ、そして英国で幅広い層に受け容れられた。
グラフィックもB3〜B4へと流れるラインからブロックパターンへと刷新されながら、1980年まで生産が続けられた。
国内と海外では1982年まで販売される意外なロングランとなり、1984年には何とタンデムツインとこれもカワサキらしいオリジナリティの濃いマシンへとバトンタッチされていった。