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このバイクに注目
KAWASAKI
Ninja ZX-25R
2020model

【ZX-25R試乗記】フルバンク中もギヤチェンジできるZX-25Rのクイックシフター

Photos:
高島秀吉

250ccクラスで本格電子制御を味わえる

クイックシフトは、走り出した瞬間に使える一般のライダーが最も感じやすい電子制御だ。そもそもクイックシフターはGPマシンに採用されていた機構。例えば大パワーのバイクで一瞬スロットルを戻してクラッチを切ってシフトアップすると、トラクションが途切れたタイミングで車体が暴れることも少なくなかった。
クイックシフトがあればスロットルは全開のまま、クラッチを切らずにシフトアップが可能になる。以前は点火カットするだけのアップ側のみを装備するバイクが多かったが、最近はインジェクションフライバイワイヤの普及でダウン側も装備するバイクが多くなった。シフトダウンの際はスロットルを自動で煽ってくれ、回転を合わせてくれるという優れものだ。

ようはバンク中にシフトチェンジしてもほぼショックがないため、いつでもギヤを変えられるというわけだ。

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のんびり走るツーリングでもその効果は大きい。発進&停止、Uターンなどの小回り、渋滞時などはクラッチレバーを操作する必要があるが、それ以外は何も考えずにペダルを上下させればOK。ツーリングの帰路に左手がパンパン……そんなこともなくなるはずだ

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サーキットでは加速体制に入ったらすぐにシフトアップする。その時の車体の挙動はとても安定している。パワーロスしにくく、高回転をキープしやすい

フルバンク中でもシフトダウンが可能⁉︎

アップ&ダウン対応のクイックシフトを装備するのは、250ccクラスではNinja ZX-25Rのみ。ビッグバイクに負けない本格仕様で、市街地からツーリング、そしてサーキットでその効果はとても高かった。アップ側は2500rpmから1万7000rpmの間で機能。ダウンは16500rpmまでで、それ以上の回転だとオーヴァーレブの可能性があるため落ちないようになっている。
基本的にクラッチを握るのは発進と停止時、後は小回りやUターンの時だけだ。

クイックシフトが装備されていると、「進入時にブレーキング&シフトダウンで後輪がロックした……」「立ち上がりで回転が落ちすぎてしまいスロットルを開けてもついてこない」「立ち上がりでエンジンが回りすぎているけど、バンクしているからシフトアップできない」といった悩みがなくなる。
その悩み解消にテクニックは一切必要ない。難しいことを考えずにシフトペダルを上下させれば良い。そうすればバンク中でもショックなく理想の回転域を手に入れることができる。

進入時の悩みを払拭できる魔法のアイテム

これまで進入時は、ブレーキング、シフトダウン、スロットルでの回転合わせをしながら向きを変えるタイミングを探さないといけなかったが、クイックシフトはその忙しさからライダーを解放してくれる魔法のアイテム。ブレーキをリリースしながら向きを変えるタイミングだけに集中すればいいのである。

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進入時はブレーキングに集中できる。シフトダウン&スロットルを煽る操作がないだけで進入の忙しさが大きく解消される。

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バンク中にシフトチェンジしたいけど、ショックが怖くて……。そんな思いをしたことがあるライダーも多いはず。フルバンク中にシフトダウンし、それをキッカケに切り返す……そんなことも可能だ

一度経験したらもう普通のバイク乗れなくなるかも……

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協力/ カワサキモータースジャパン
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