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このバイクに注目
KAWASAKI
Ninja ZX-25R
2020model

【ZX-25R試乗記】カワサキ大好き男が走り込んで作った、ZX-25Rのシャシー

Photos:
高島秀吉

エンジンの良さをシャシーが引き出す

Ninja ZX-25Rは、250cc/4気筒というエンジンに大きな注目が集まるが、今回はこれまでの250ccクラスにはなかった車体のつくり込みにクローズアップ。
エンジンの面白さを引き出しているのは、車体の味付けがとても大きいからだ。車体は想像よりも大柄で、遠くから見ると400や600ccクラスにも見えるほど。250ccとは思えない存在感と所有感がある。跨ると確かに250ccらしくシート前端は細いが、ハンドルは開き気味。ライダーはバイクの上でどっしりと構えることができる。バイクの上での自由度も高く、こじんまりとしていないのは意外だった。長時間乗っていてもセパハン特有の首の後ろが痛くなる感覚もない。

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しなやかな車体だからバイクと一体になれる感覚が強い。車体からのフィードバックが良いからスロットルを開けるタイミングも掴みやすいのだ。広いオートポリスでも物足りなさは一切なかった

10R譲りの安定感

車体は兄貴分のNinja ZX-10Rの安定感を受け継いだ設定。実際にスイングアームの長さなどはNinja ZX-10RやNinja ZX-6Rを参考にしているという。ただ、僕が最も感激したのはその剛性バランス。それは本当にとことん走って作り込んだ味付けで、カワサキらしさとコーナリング好きをワクワクさせてくれる感性を両立していた。

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フルブレーキングでは応力がステアリングヘッドに集中する。その時のメインフレームのシナリ具合が抜群。向きを帰るタイミングを掴みやすい

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フレキシブルな車体は走り込んで作った味付け。長いスイングアームやリヤサスのレイアウトは兄貴分のZX-10R譲りだ

若い感性で走り込む

そのハンドリングを作り込んだのが開発ライダーの野崎浩司さん。1975年生まれの野崎さんはZX-10RでJSBなどの国内レースを経験し、これまでにNinja 250SLやZ650、そしてZX-10Rの開発にも携わってきた。

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開発ライダーの野崎浩司さんと。若い世代が開発の中心になっているのも国産メーカーでは珍しいこと。カワサキを引っ張っていく世代に期待したい

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Ninja ZX-25の開発でさんざんオートポリスを走り込んだ野崎さんと一緒に走ってみた。「あそこはこのラインか〜」などなど新しい発見もあり。だからバイクは面白い

まず、わかりやすいのはコーナー立ち上がりでスロットルを開けやすいことだ。スロットルを開けた瞬間に後輪が路面を掴み車体を適度にしならせながら加速していく。さらにブレーキングでもピッチングモーションを掴みやすく、曲がるタイミングを見失いにくい。サーキットでのフルブレーキングでも常にわかりやすい車体の挙動を示してくれるため、限界を掴みやすく、常にマシンとのコミュニケーションが取れているような印象なのだ。
 少し前までのアルミツインスパーフレームは、縦も横もねじれもすべてが硬かったのだが、近年のビッグバイクの車体は、縦剛性が強くねじれ剛性を落とした設定で、まさにこのNinja ZX-25Rもそんな今風の高バランスだったのだ。
それを実現するためのスチールトレリスフレームだし、ZX-10R譲りの車体設計であることをワインディングとサーキットを走って納得。まさに“高回転エンジンを活かす車体”なのだ。250ccクラスで体感できるスポーツバイクのハンドリングの最新トレンドを是非とも知っていただきたい。

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協力/ カワサキモータースジャパン
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