高速道路を使った長距離ツーリング人気が育んだツーリングスポーツのエアロ化!
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スズキは1990年代後半に主にヨーロッパ、英国やドイツのマーケットでツーリングモデルの需要が増えていることに着眼。
たとえばライトなニーズには、ミドルクラスのDR650をベースに、よりオンロードツアラーとしてキャリアを装備する機能やミニカウルをマウントするデザインを構築、1997年にXF650Freewindをマーケットへ投入した。
そして同じミドルクラスでもヘビーな高速道路を使い何カ国も巡る長距離ツーリングのニーズも増えていて、そこにはスーパースポーツ系ではないツーリングスポーツに向いた専用機種を開発、10年以上の実績を持つスズキ独自の油冷750ccDOHC4バルブ4気筒をツーリング仕様としたGSX750Fを1989年にリリースした。
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そこから8年間、日本でも発売され目立ったニーズはなかったものの、ヨーロッパでは堅調な売れ行きで推移したことから、こうしたツーリング仕様に特化した輸出専用の次なるモデルの開発がスタートした。
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油冷750ccを引き継いだNewGSX750Fは、大胆なエアロフォルムでいかにも高速道路を長距離移動するイメージ。
このスーパースポーツとは一線を画したデザイン・アピールは、ヨーロッパのツーリング好きライダーたちのニーズを掴むことに成功した。
750ccがツーリングモデルのミドルクラスに位置するヨーロッパ
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輸出専用となったGSX750Fは、GSX-R750ベースの油冷DOHC4バルブ4気筒エンジンでボア70mm×ストローク48.7mmで92PS/10,500rpm。
油冷であることから、水冷エンジン搭載のエアロフォルムとは異なり、オイルクーラーだけでなく空冷シリンダーまわりの冷却風の抜けも含む独得なエアダクト形状で、そこから緻密なピッチで美しい冷却フィンも覗いているあたりも、スズキ油冷の何たるかを知るファンには大きな魅力。
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ネーミングのKATANAを用いる国もあって、そうしたバリューとユーテリティ・スペースなど細かな実用性も高評価となり、人気の出にくいツーリングスポーツとして相応の成功を収めることとなった。
アドベンチャー系へ主力が移行するまで堅調な支持率をキープ
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個性的なエアロシルエットも、おそらく日本製でこのデザインにチャレンジした機種で数少ない支持を得たフォルムとなった。
カラーリングバリエーションも増え、2004年までNewモデルがイヤーモデルとしてリリースされ、ヨーロッパでは2006年まで販売を継続。
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しかし同時にヘビーユーザへニーズが一巡すると、スズキが先を睨んで取り組んでいたV-Stromのライトなミドルクラスへとメジャーな流れは方向を変え、そこからアドベンチャー系へとフォルムも変わっていったのはご存じのとおり。
![suzuki_gsx750f_20240402_10](https://ride-hi.com/assets/suzuki_gsx750f_20240402_10.jpg)
いずれにせよ日本メーカーがここまでユーザーに寄り添い、ニーズを的確に捉えた例は稀で、ツーリングライダーにスズキ・ブランドへの信頼感が高まったのはいうまでもない。
日本国内向けには展開されなかったカテゴリーだが、今後のバイクライフを考えるとき、こうしたツーリングモデルを見る目を養うことも必要だろう。