日常使いから遊びの領域へバイクをライフスタイルに浸透させたレジャーバイク!

1969年にホンダがリリースしたご存じDAXは、仕事や生活の実用手段だったバイクを、遊びの道具としての領域へ価値観を拡げた立役者だった(1967年にモンキーも登場していたが特殊な存在で一般には浸透していない)。
そんな流れを一気に女性を含め、実際に広範囲までバイクをライフスタイルへ溶け込ませたのが1971年にデビューしたスズキVanVan。
最大の特徴が前後の太いバルーンタイヤ。
レクタングルタイヤとも呼ばれたこのタイヤは最初のバンバン90では、10インチと小径なのに幅が170mmもある太さで、砂地・湿地・草原・泥道から雪道のような悪路の走行を可能にする、アドバンチャ-バイクが発想の起点だった。



それが可愛さに女性までもが目を輝かせるのにスズキはいち早く気づき、50ccから75ccに90ccと125ccまで、サバイバルなイメージとは離れたファンバイクへと位置づけを変えてしまったのだ。
因みにバンバン50の1972年型は、2ストローク単気筒で4PS/6,000rpmで3段変速だったが翌年には4段変速となり、女性向け花柄シートなどのバリエーションも登場、但しタイヤ幅は135mmにサイズダウンして乗りやすさのほうを重視していた。
走りも用途もニュアンスが異なるバンバン125は、前輪を137mmに後輪は170mmとアクティブに走れる仕様だった。



このVANVANは車名こそこのままは使えずRVシリーズとなっていたが輸出向けでも好評で、アメリカからヨーロッパまで広く愛用されるヒット作となっていた。
この影響は他社でもBWやTWなどレジャーバイクの開発を促し、人々の暮らしの中にレジャーバイク・スポーツバイクを染み込ませていく存在となっていったのだ。