A.高圧縮・高出力で円滑な運転に必須だからです
レギュラーとハイオクって何が違うの?
レギュラーが135円だとハイオクは145円、といった具合にリッターあたり10円ほど高価なハイオクタンガソリン。
ではこのレギュラーとハイオク、何が違うのかといえば、ガソリンのオクタン価。ハイオクと呼ばれるガソリンは、ハイオクタンの略で、レギュラーに比べてこのオクタン価を高く設定してあります。
エンジンを高性能にするためには、圧縮比を高めます。これはガソリンを霧化して吸い込んだ混合気を、ピストンの上昇で圧縮された状態から点火して得る爆発力を強大にするため、上昇したピストンと燃焼室との距離を縮める、つまり圧縮比を高める設定にしていきます。
しかし、燃焼室の温度が高い状態で高圧縮化すると、まだ点火するタイミングでないのに霧化したガソリンが自然着火してしまう状態に陥りやすくなります。
もちろん、これでは逆効果。エンジンを壊しかねません。またオクタン価が原因で、ピストンの縁に溜まったカーボンが炭火のように真っ赤になってピストンを溶かしてしまうトラブルが生じることもあります。
そこで開発されたのが、高温高圧縮でも自然着火しにくく、実際に点火されると一気に燃焼して高いエネルギーが得られる特性のガソリンで、オクタン価という数値で区別されています。そうです、95とか99と表記されたアレです。
これがハイオクガソリンというワケです。
納車時の説明事項やユーザーマニュアルにもオクタン価の指定が記載されている。
ハイオク指定にレギュラーを入れてはダメ
ではレギュラーガソリンで問題ないエンジンに、ハイオクを入れたらどうなるのでしょう。
たまにツーリングで頑張ってくれたからとか、購入した記念日だからなどの理由で、愛車にハイオク入れてあげたりしているライダーもいますよネ。
まずいえることは、これがエンジンに悪影響を及ぼすことはありません。
ただ、ハイオクの宣伝などでいわれていた、洗浄剤が添加されているので、エンジン内部がキレイになるという効果を期待していた時期もありましたが、言いにくいコトですが一部報道されていたように、それはまちまちで、現在はほぼないとしたほうがフェアなようです。
もちろんわずかですが、燃焼効率で得られるパワーやトルクが若干高いため、運転の仕方によって燃費がよくなる可能性はあります。
とはいえ、そこは気分。愛車を労う意味でハイオクを入れてあげる気持ちも素敵だと思います。
- Words:
- 根本 健