最新 Panigale V2は史上最軽量に吟味されたパワーバランスで幅広いライダーが打ち解けられる逸品！【What's New】

ドゥカティのパニガーレV2（2気筒890cc）の2025年モデルが、ようやくデリバリーを開始、日本でも発売がスタートした。
トップエンドにV4Sと、軽くコンパクトで乗りやすさが向上したモデルがあるのに、890ccの2気筒の位置づけがわかりにくいと思われるかも知れない。 しかしドゥカティは、このV2を重要なモデルとしているのだ。
たとえば最頂点のパニガーレV4S、世界最高のパワーとシャシーでポテンシャルも300km/hの世界が垣間見えている……とはいえ、おいそれと誰でもそのパフォーマンスをフルに試せるワケではない。
それでも自分には使いこなせなくても、最高峰のモデルを所有している満足感に浸れる、そんな思いで購入するユーザーがほとんどだ。

対して、もう少しパワーも控えめで、そのためシャシーも軽量にできて、トップスピードこそV4Sに敵わないが、コーナリングでのハンドリングとトラクションが手に負えるマシンでそこそこパフォーマンスを発揮させて乗りこなすチャレンジにモチベーションを求める……そうしたライダーも実は少なくない。
ドゥカティとしてはそんなファンに、如何にデリケート且つダイナミックにライダーの求めに応じられる優秀さを味わって欲しい！そんな願いを込めているのがV2なのだ。

それが120psと176kgとパニガーレ史上最軽量な車体との組み合わせ。
ほぼ400ccクラスの車重に、高回転域だけでなく中速から低回転域までバルブタイミングをリニアに変化させる力強さとなれば、キャリアを積んだライダーには手に負えるバイクで集中してパフォーマンスを楽しめる……そんなポテンシャルが魅力として伝わってくる。
そこで90°Ｖツインは前後への荷重配分をハンドリング最優先とするため、20°後ろへ傾けて搭載、ボア96mm×ストローク61.5mmのショートストローク設定で11,350rpmまでストレスなく回りながら、インテーク可変タイミング（IVT）を吸気側カムシャフト駆動に導入、上死点に対し+34°～-18°までの広範囲にタイミングが連続的に可変とした、力強いトラクションが与えられている。
因みにDOHCのカム駆動まわりがコンパクトなのは、ドゥカティのお家芸だったデスモ（吸気と排気のバルブをスプリングではなく閉じ側もカム駆動する強制開閉方式）をやめ、一般的なスプリングを使う方式となったからで、メンテナンスも30,000kmと長い間面倒をみる必要がないという。

シャシーはパニガーレV4でスタートした、エンジンにステアリングヘッドをマウントしたモノコック・フレームを踏襲、積み重ねたノウハウでブレーキングなどの前後への荷重方向には強靭さを加え、コーナリングで乗りやすさ扱いやすさに繋がる捻り方向には柔軟な構成としている。
スイングアームは2本となり鋳造の形状も左右への柔軟性を与えながら軽量高剛性となる最近一連で採用している特徴的な形状だ。これがエンジン共々軽量化へ貢献しているのはいうまでもない。
ひとつ注目したいのがエンジン後部のスイングアーム・ピボットの形状で、よく見ると偏心していて異なる機種やセッティング次第で、アンチスクワットのアングルが可変できる設計となっていた。

電子制御もパニガーレV4と同等レベルで、4つのライディングモード（レース、スポーツ、ロード、ウエット）と3つのパワーモード（ハイ、ミディアム、95psに制限するロー）をセレクトできるのと、コーナリングABSにトラクションコントロール、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロール、それに従来のチェンジロッドに感圧センサーを介していたクイックシフトが、ミッションのシフタードラムにスイッチを組み込んだより俊敏反応な方式となるなど、各種電子制御が充実している。
このよりライダーに身近なパフォーマンスで操る醍醐味を提供するパニガーレV2 によって、安全マージンを大きく保ちながらスポーツライディングを楽しむライダーが増えるよう願って止まない。