エンジンが1回に吸気できる容量を250ccとか1000ccと表記
車検があるとかないとか、運転免許でも、バイクのエンジンの大きさで制限など色々区分されているのはご存じのとおり。
そのエンジンの大きさを表すのが排気量で、250ccとかナナハン(750cc)などと呼んでいるが、それはいったいどこの大きさなのか?
そもそもエンジンは、ガソリンと空気の混合気を吸って圧縮し、爆発を経てそのエネルギーを回転に換え、乗っているライダーが操縦して走っている。
この燃焼させる吸気を、ピストンが密閉されたシリンダーの中で下降するとき、生じる負圧に合わせて開いた吸気バルブから吸い込む。
この吸い込める1回の吸気量を250ccとか容積で表すのだ。
それがどこの部分か、数多くの部品で構成されているなかに、水鉄砲や空気入れの手押しポンプのような仕組みがあって、往復しているピストンの動きがクランクで回転に換えられているのを、イラストから想像していただきたい。
分解されているドゥカティのV4エンジンは、V型の4気筒ということなので、イラストのエンジンの仕組みが4つ組み込まれていることになる
1回に吸える容量はピストンの直径面積が往復する円柱の長さ容積
ひとつの気筒、つまり1組のピストンとシリンダーで、ピストンが往復する容積が1回の吸気で吸い込める燃焼させる混合気ということになる。
わかりやすくするために、茶筒でもポテトチップスでも良いので手に取れる円柱状の筒をイメージしてみよう。
この長さがピストンの往復するストローク量で、丸い筒の直径がボアと呼ばれて、ストロークもボアもミリ単位で表記している。
たとえばピストンの直径を81mmとすると、このボアによる面積は40.5×40.5×3.14で、ストロークが53.5mmであれば1気筒あたり275.5cc、4気筒なので総計1103ccと、2022年モデルのパニガーレV4Sということになる。
この計算方法で、スペック表にあるボア×ストロークに気筒数を掛け合わせてみれば、総計すれば表記してある排気量となるはずだ。
この筒の1回で吸える混合気の容量を、排気量と呼びエンジンの大きさを表すということになる。
そして当然ながら1回に吸気できる容量が大きいほど、最高出力や最大トルクを稼げる力強いエンジンとすることができる。
ということで、排気量の拡大だけでなく高性能化を求めて、より吸気を効率的に充填できるよう、吸気バルブをふたつ並べ排気も新気との入れ替えを促すためにふたつ並べる4バルブのような構成となるわけだ。
さらに爆発回数が増えれば出力も相応に増えるので、ストロークを縮めてピストンの往復距離が短くなることで往復運動の速度が下がり、慣性力も減るのでより高回転化が可能になる。つまり同じ排気量でも、ボアを拡大してストロークを縮めることでパワーアップの可能性が高まるのだ。
例としたパニガーレV4も、このエンジンのボア×ストロークを変更しながら進化してきた。見逃せない重要なポイントで、Newモデルのチェックでパワーアップがどこを変更して得ているのかを探ることもできる。