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手で押さず体重を載せるバイク移動【ライドナレッジ091】

Photos:
藤原 らんか

手や腕だけで押したり引いたりは重く不安定に

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駐車場所からの出し入れなど、バイクを降りてからの押し引きはキャリアを積まないと体力ばかり浪費しがちだ。
まずやりがちなのが、ハンドルを持って手や腕のチカラだけで押そうとするパターン。これだとまずバイクがフラついて不安なのと、標準的に180~240kgある大型バイクだと重くてカンタンには動かない。
ここでの大きな間違いは、バイクを倒すまいと真っ直ぐ立てることに集中し、身体からバイクは離れてしまうこと。バイクを少し傾けて腰のあたりへ軽く寄りかかる状態にしておくほうが安心だ。手や腕のチカラだけではバランスを保つのが難しいのをまず意識しておこう。

前進はハンドルに体重を載せ動くまで待つ

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まず前へ押し出すのは、バイクを腰のあたりへ軽く寄りかかる状態にしたら、ハンドルを持つ手や両腕に対し立ち位置を僅かに後ろへズラし、上半身の体重をハンドルへ載せる感じにして暫く待つ。
すると平地ならばバイクは必ずゆっくりと動きだす。動き出したら上半身の角度を保ちながら、体重を載せたままゆっくりとバイクについていくように移動する。
手や腕のチカラを使わず体重を載せ動くのを待つ、チカラづくではないやり方は慣れてしまえばまったく難しくない。駐車場など急ぐ必要もないのに焦ってしまいがち。落ち着いてゆっくり移動を心がけよう。

バックは片足を持ち上げて体重をより効果的に使う

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次に後退させるコツを覚えよう。まずバイクに対し身体を横にした位置で向き合う。身体が車体から離れるので、不安に陥らないよう慣れるまでサイドスタンドを出したまま、イラストの姿勢になる位置関係を覚えるのが先決。
右手をシートの上に載せ、ここへ体重がかかるように上半身で寄りかかるようにする。
左手はハンドルを持ち、左右へ切れずに真っ直ぐが保たれるようホールド。慣れるまではハンドルが切れはじめたら止まって、身体を前に向き直し両手でハンドルを真っ直ぐに戻す。
これを慎重に繰り返すと、右手のシート位置と傍らに立つ身体との角度がバランスよくなり、動いたとき安定するので最初は時間をかけたほうが安心できる。
そして動かす最初に、右足を浮かせるようにして体重がより右手に載るようにしよう。
こうすれば傾斜がなければ必ず動きだす。動き出したら遅れないよう歩くように足を交互に入れ替えながら後退していく。

跨がったままなら両足で踏ん張らず着座して片足を使う

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まだバイクに慣れていないと、バイクから降りての押し引きが不安で、つい跨がった状態のまま両腕でハンドルを引っ張ったり押したりを試みがち。
チカラづくで何とか動くこともあるが、大抵はちょっと動いてすぐ元に戻ってしまい徒労に終わる。
これは両足で踏ん張るとシートから腰が浮いてしまい、ハンドルで一瞬は前後に動いても車体が移動するまでの操作にならないからだ。
そこでシートに体重を載せた着座した状態で、片足をステップへ載せ、もういっぽうの片足で前後どちらかへ蹴るようにするとジワジワと移動することができる。
料金所前で止まって、コインやお札を機械へ入れるのにあと一歩前後したいときなど、この方法が功を奏するので、練習しておくと便利に使える。
何れにせよ、朝の出発前やツーリング先で体力を消耗しないよう、バイクの押し引きに体重を使うコツは練習してコツを覚えておくのがお奨め。