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このバイクに注目
HONDA
CB750K
1979~1984model

CB750Kは10年ぶりの新750エンジンで威風堂々からスタート!【このバイクに注目】

Photos:
HONDA

世界を震撼させたCB750フォアから新規エンジン開発をストップ、
ライバルのDOHC化との溝を埋めるだけでは済まされない新しさへの要求!

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1978年、アメリカでCB750Kが発表になった。 それは1969年にリリースされた、量産車では世界初の4気筒、CB750FOURから10年が経とうとしていたタイミング。
ホンダはアメリカの排気ガス規制、マスキー法に全メーカーがNGだったのに対し、世界でクルマ・メーカーとして認められるまたとない好機とみてひとり可能だと息巻き、その複合燃焼室を備えたCVCCエンジン開発に二輪を含めた全エンジニアの総力を結集した。
この号砲寸前に、二輪エンジニアは750をはじめ500や350の4気筒開発の道筋をつけ、まったくの新規開発を凍結する態勢としたのだ。

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とはいえ、ライバルメーカーが同時に手を休めてくれるはずもなく、初の4気筒も数年で対抗4気筒が出現、1968年を最後に世界GPレースから撤退していたホンダは、ファンへのパフォーマンス・イメージを維持するため24時間耐久レースへ、CB750FOURをベースにDOHC化したワークスマシンのRCBをエントリー、ホンダ強しの牙城を守っていた。
そのRCBエンジンを踏襲したのが、10年になろうとしていた新規CB750KのDOHC4気筒だった。
気筒あたり4バルブの計16バルブ、実績あるレイアウトとRCBを彷彿とさせる冷却フィンのデザインに、待ちかねていたホンダファンは驚喜した。

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堂々たる4本マフラーに、長距離ツーリングを意識させる大容量燃料タンクに厚めのシート……まさにクルーザーとしてのパフォーマンスを感じさせる豪華なフラッグシップの登場という自信たっぷりのアピールだった。

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しかし、ホンダにとって意外な事態が展開されることに。
この新規ナナハンに対し、ヨーロッパ各国のホンダからスポーツ性を感じられない、旧態依然とした大型バイクのデザインを何とかしろとのコンプレーンの嵐!英国にはロッカーズ系の、ノーマルな燃料タンクのままセパレートなドロップハンドルにロングシートの庶民カルチャー・カフェスタイルが存在した。
しかしその英国でも、ノートン系などスタイリッシュで洗練された都会派カフェスタイルが、富裕層のライフスタイルとしての趣味性と認識されていて、フランスやスイスにドイツでもそうしたスペシャルマシンをカスタムメイドする工房が存在していた。
そこでホンダは都会的なユーロデザインへのチャレンジを急遽決定、CB750F(後にCB900Fも加わる)が追いかけ発表となりKとの併売がスタートしたのだった。
CB750Fはまさにその潮流をさらに洗練させるカフェレーサー専用でもあったバックステップを総アルミとしたり、その後退したステップ位置へチェンジペダルにリンクを介したレーシーな機構とするなど、それまではカスタムパーツで量産車には採用されないスペシャル感が満載の仕様を詰め込んだのだ。

こうして新CB750系は、CB750FとCB900Fを基軸とした展開へと戦略が変わり、ライバルの日本メーカーに対し一気に巻き返しをはかり、そこをバネにV型4気筒シリーズなど開発ラッシュで圧倒していったのだ。