honda_superhawk3_20250307_main.jpg
このバイクに注目
HONDA
SUPER HAWK III
1980model

SUPER HAWKIIIは3バルブに超ショートストロークで4気筒攻勢に耐えていた!【このバイクに注目】

Photos:
HONDA

本来お家芸の4気筒をライバルに先を越されながら耐え忍んだ3バルブ2気筒!

honda_superhawk3_20250307_01

1977年にリリースしたHAWK(250)とHAWKII(400)は、エンジンと車体を250と供する1970年代後半ではどのメーカーも同じ手法でラインナップを組んでいた。
しかしカワサキが1979年にZ400FX、続いてヤマハも1980年にXJ400で4気筒モデルをリリース。
本来4気筒はCB750フォアに端を発したホンダのお家芸だったが、CB350フォアを400ccとしたヨンフォアで中型クラスを圧倒した経緯を経てからは、効率をはかれば400ccの排気量では2気筒が優位と、HAWK IIを投じたのだった。
NewエンジンはSOHCで気筒あたり吸気2バルブと排気1バルブの計3バルブを燃焼室に配置した、当時はクルマのレースエンジンでハイチューンの象徴ともいえる仕様だ。

honda_superhawk3_20250307_02
honda_superhawk3_20250307_03
honda_superhawk3_20250307_04

ただ緩やかだった潮流がスポーツバイクでは前傾ポジションのヨーロッパスタイルが好まれると判断、ホンダが逆襲の狼煙をあげたCB750F(900F)のフォルムに倣ったデザインとしたCB400Nを追加。
そもそもこの3バルブの新エンジンは、ボアが70.5mmもあって(3バルブが配置できるのもこのため)ストロークが50.6mmしかない超ショートストローク設定。
360°クランクで2軸のバランサーを駆動して2気筒でも振動対策によって高回転型にチューンされていた。
しかし追撃してくる4気筒勢に対抗して、1980年にSUPER HAWK IIIと敢えてCBの冠を外した車名の豪華装備を加えたNewモデルをリリース。
フロントをダブルディスク化してリヤにもディスクブレーキを装備したトリプルディスクを謳い、ハンドルをパイプではなくセパレートのジュラ鍛と素材から高価な仕様としていた。
他にもフロントフォークのトップを左右でエア圧を繋ぐ、レーシングマシン並みの凝ったパーツなどマニアから注目される装備など、あらんかぎりの新しさをアピールしていたのだ。

honda_superhawk3_20250307_05
honda_superhawk3_20250307_06

とはいえライバルの最新4気筒モデルに人気が集中、到底これを食い止めることはできず、SUPER HAWK IIIは2シーズンで新しい4気筒のCBX400Fへと道を譲ることになった。

honda_superhawk3_20250307_07
honda_superhawk3_20250307_08

1981年にこのCBX400Fがリリースされてからは、瞬く間にホンダ優位な状況へと推移していったが、この持ちこたえたSUPER HAWK IIIを敢えて乗り続けた判官贔屓のライダーもいて、熱きホンダファンの存在を思い知らされた時期でもあった。