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このバイクに注目
KAWASAKI
ZRX
1994~2008model

ZRX(400)にラインナップされたII型が追いかけた名車FXと角Zイメージ!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

ゼファーの対極に水冷ネイキッドを発想したときの狙いドコロ……

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カワサキは1989年に大ヒットとなった「ゼファー」の空冷ネイキッドが圧倒的シェアを拡大するなか、ライバルの攻勢を見据え次世代ネイキッドの模索をはじめていた。
パフォーマンスを優先しない2バルブ空冷4気筒の成功は、いずれ水冷4気筒でのネイキッドも拡がりの中に含める必然がイメージされる。
そこでカワサキでいえるのが、ローソンレプリカだ。
全米のレース連盟AMAが頂点クラスのスーパーバイクを、世界GPマシンとは一線を画すアップライトな市販スーパーバイクで競うレギュレーションとした背景から、Z1000Jをベースに改装したZ1000Rを経て、1982年にZ1000R(KZ1000R1)を発売、ビキニカウルとKERKERの集合マフラー、さらには段差のついたシート、そしてもちろんライムグリーンのカラーがローソンレプリカの仕様として瞬く間に人気モデルとなった。
このアップライトなネイキッドだから映えるパフォーマンスイメージを、400ccでも息吹を巻き起こそうとZRX(400)がデビューすることとなった。

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水冷エンジンは1990年にデビューしたZZ-R400の1993年にモデルチェンジしたバイクがベース。
パイプフレームに装着されたスイングアームは、オリジナルのローソン・レプリカ同様にパイプでトライアングルを組み、チェーン引きをエキセントリック方式としてファンを唸らせた。
ただカワサキは、マニアックなローソンレプリカを好む層だけでなく、もっと幅広いターゲットを想定しマスコット(ビキニ)カウルを装着しないバージョン(ZRX-II)も用意した。

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そして当然のようにイメージされる、かつて一世を風靡したZ400FXのグラフィックを纏ったバージョンをリリース。

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さらに「角ゼット」で名を馳せたそもそものルーツ、Z750FXをイメージさせるグラフィックも追加することとなった。

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しかし厳しくなるいっぽうの排気ガス規制によって、ローソンレプリカ復刻版もビッグバイクのほうは燃料噴射へとモデルチェンジしたZRX1200DAEGで継続となったが、400cc版ZRXは2008年でその幕を閉じることとなった。

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こうして闘うネイキッドのイメージで人気だったZRX-IIの再来を望む声は少なくない。
カワサキのパフォーマンスイメージに含まれる「男カワサキ」を受け継ぐモデルの登場はないのだろうか。