img_article_detail_01

雨の日の怖くない走り方はありますか?【教えてネモケン054】

oshiete-nemoken_054_main.jpg

A.唐突な操作は禁物。わずかなバンク角でも曲がる感覚を掴み、常に緊張をほぐすよう心がけてみましょう

雨の日は走らない、できればそんな気持ちなのですが、ツーリング先で降られるとそうも言ってられません。
とにかく楽しくない、怖い状況を打破したいのですが……

まずは急のつく操作をしないことですが……

確かに濡れた路面は滑りやすく、恐怖感に陥りがちです。でもこの怖さは緊張感というか、自己防衛本能が正常に機能しているワケで、怖さを取り除きたい気持ちはわかりますが、それは考えなくて良いと思います。

そこで先ずは雨の日に走るときのコツをお話しておきます。当然ですが、路面が滑りやすいのですから、唐突な操作は禁物です。とはいえ警戒心が強過ぎたり、緊張で身体がガチガチになって必要な操作さえできなくなっていたらこれも危険です。

雨でも明確な操作を心がけましょう

たとえばブレーキ。前輪が滑ったらひとたまりもないと、怖々そっとしかかけられない人が少なくありません。でもこの操作だと必要な減速ができず、最後に慌てて強めにかけてスリップダウンという危険が潜んでいます。

ディスクブレーキは、ローターが雨で冷えていると摩擦係数が低く、最初に効かない感じがします。なので、ブレーキレバーを最初にゆっくり入力ではなく、最初にジワッと素早く引き、その後の効きを確認しましょう。そこでググッと減速Gを感じるほど強く効き過ぎたら、入力を弱めればスリップせずに充分間に合うコントロールが可能です。

次は立ち上がり。コーナーの出口でスロットルを開け加速状態にするトラクション効果は、濡れた路面でも重要です。これもそろそろとスロットル開度を徐々に増やす操作では、まったくトラクション効果が得られません。絶対にスリップしないと自分で思える浅いバンク角で、エンジン回転を思いきり低く、アイドリングからちょっと上の2,000rpmで良いので、スロットルグリップを半分以上までジワッと素早く捻りましょう。

そうすると路面が濡れていても後輪が路面に食いつくグリップを感じ、同じ浅いバンク角でも安定して強く曲がれます。しかも低回転域なら、たとえ後輪が滑ったとしてもピークパワー域のようにギューンと回転上昇しません。エンジン音がブワッと乱れた感じに聞こえてからスロットルを戻して充分間に合います。

oshiete-nemoken_054_01

雨の日はどうしても憂鬱になるモノ。でも、路面が濡れていてもしっかりと自分で操っている実感を得られれば、不安は軽減される

雨の日はどこまで寝かしていいかわからない

それと最大の悩みが、怖くてバンクできない、常に曲がり切れないかと思う大回り……ですネ。よくバイクを立てて、上半身を内側にズラす人を見かけますが、あのフォームはレースなどで速度が高いコーナーに有効ですが、一般公道のヘアピンなど低速で小さく曲がるカーブではかえって曲がりにくい場合がほとんどです。やはり濡れていても、ある程度は車輪が傾かないと曲がってくれません。ほんの少しのバンク角で良いのです。といっても、どのくらいなのか想像もつかない……であれば、こういう方法を試してみてください。カーブまできたらリーンウイズのままで構いませんから、燃料タンクのコーナーのアウト側になるニーグリップ部分を、膝で軽く叩くような操作をするのです。ちょっと膝をニーグリップから拳一個ほど離してからポンと内側へスイングさせるように叩くと効果が高いと思います。どうです、スッとバイクが軽く曲がりはじめましたよネ。そうなのです、そんなわずかな角度でもバイクは曲がれるのです。

oshiete-nemoken_054_02

最新バイクはライディングモードも積極的に活用したい。レインやロードといったスロットルレスポンスが穏やかなモードにすると、自動的にトラクションコントロールABSの介入が増えるモノが多い。中にはサスペンションが柔らかくなるモデルもある

雨の日こそリラックス

最後に、実はこれがいちばん大切かも知れませんが、緊張や冷えで身体が硬くなったままだと、バイクは曲がりにくくなります。
腕のみならず上半身や腰の部分で緊張していると、車体のわずかな上下動などの動きに身体が追従せず、路面に接しているタイヤの細かな荷重変化でのグリップを弱めてしまうのです。身体でしなやかに路面追従できなければ曲がれる能力も大きく違ってきます。チカラが入っているな、力んでいるなと感じたら、両肩や腰を軽く動かして常に緊張をほぐすよう心がけてみましょう。

Words:根本 健 Photos:長谷川 徹