確かな技術に裏付けされた過激なルックス
世界グランプリを走るワークスマシンに採用されるなど、先端素材を使ったパーツとして、かつてはバイク好きにとって垂涎の的だったカーボン素材の製品。それが、我々の手に届くようになったのはいつからだろう。
ROTOBOXは、カーボンホイールを製造、販売するスロベニアのメーカー。ヤマハのレーシングチームYARTやMoto2のSAGレーシングチームと共に開発を重ね、そこで得た技術を公道用カーボンホイールに生かしている。
ヤマハYZF-R1ほか、スーパースポーツをはじめとする様々な車種用をラインナップ。片持ち式スイングアーム用も用意される
同社では、BULLET、BOOST、RBX2という3種類をラインナップしているが、スポーツライディング好きにとって気になるのは、なんと言っても極細のスポークを持つBULLETだろう。
極薄スポークが特徴のBULLET(バレット)。価格は前後セットで54万4,500円〜。JWL dotE 認定、安全規格JASO T203-85
極薄スポーク部は、チョップドカーボンと呼ばれる特殊な炭素繊維糸を使用した独自の技術が盛り込まれる。断面は薄いながら、高強度を実現している
織カーボン仕様が採用されるリムには、エッジ部分に2.5mmのステンレス鋼線を組み込まれ、耐衝撃性と安全性を実現している
ホイールにはUV保護クリアコーティングが施される。標準設定のグロス(艶あり)とオプションのマット(艶なし)から選べる
A7075 T6アルミ合金からCNC加工で製造されるハブは、各車に合わせた専用設計。純正ブレーキディスクがボルトオンで交換が可能だ
BULLETは、カーボンホイールでは不可能とされていたアルミやマグネシウム鍛造ホイールで採用されるスポークデザインを実現。特徴的なスポーク部は、軍事用に開発された特殊な炭素繊維糸を使用することで極薄の仕上がり。そして重量は、純正装着ホイールに対して、約50%もの軽量化を実現している。
BOOST(ブースト)は中空5本スポーク仕様のカーボンホイールで、業界初の3成分複合材と独自のワンピース中空カーボンキャスト構造を持つ。価格は48万9,500円〜
BOOSTより迫力のある極太スポーク仕様が特徴のRBX2。このホイールもスーパースポーツからネオクラシックまで様々な車種に対応している。価格は47万6,300円〜
数あるリプレイスパーツの中でも、ホイールはバイクの運動性の向上に最も効果がある。より軽量で、外観を大きく変えることができるROTOBOXカーボンホイールは、高価ではあるものの、その価値を実感させてくれる。
RIDE HI 創刊号ではさらに詳しい記事を掲載しています。
ROTOBOX
ROTOBOXは、カーボン、エポキシ、スチールの3種を組み合わせた独自のコンポーネント複合材を開発し、市販品に投入しているスロベニアのカーボンファイバー製モーターサイクルホイールメーカー。チャレンジングなデザインのホイールを生産しているが、レースシーンでのテストはもちろん、社内にあるテストラボで様々な試験を実施。安全性を最優先した製品づくりを行っている。