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路面電車のレールを跨ぐときの注意!?【ライドナレッジ117】

Photos:
Shutterstock,藤原 らんか

市電やライトレールの軌道敷は、
前輪をとられたりスリップで転倒の危険も!

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クルマと同じ道路を走る路面電車は、都市交通の厄介モノとして大都市では消滅したものの、まだ庶民の足として活躍している市電が走る街もある。
それどころか、クリーンな公共交通機関として新たなライトレールが見直され、新路線を設ける地方都市も出てきた。

そうなるとツーリングで市電やライトレールが走る街並みに遭遇するかも知れない。
日常、市電の軌道敷に慣れたライダーにはいまさらなハナシだろうが、ほとんどのライダーはそのリスクなど無頓着。
ということで、路面電車のレールを横断するときに注意すべき点を伝授。

レールに対し浅い角度で乗り越えず、
進路を変えて深い角度で横断する!

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路面電車のレールは、道路の舗装面に埋め込んである。最近は減っているがそのレールの周囲に石畳を敷設するスタイルが主流だった。
この石畳に前輪をとられ、真っ直ぐ走りにくいのと、これを横断するとき、前輪がレールに沿って走り、慌てると転倒という事態になりかねない。

軌道敷でなくても舗装面とレールには段差がある。
そこで横断するときは、レールに沿った浅い角度で乗り越えようとせず、レールを跨ぐときには深い角度で進路を変える走り方に徹する必要がある。

ましてやちょっとでも雨が降ってレールが濡れると、タイヤが滑って進路をレールにもっていかれてしまったり、呆気なくスリップして転倒となる危険性がかなり高い。

ハンドルを押えずに
前輪が振れても復元を待とう!

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こうした石畳のように前輪をとられやすい状況では、工事中で大きめの深い砂利道を走るときと同じ。ハンドルにチカラを入れたり押え込むと、前輪はライダーが思うような方向へ向かわず、下手をすると砂利に潜って転倒しかねない。
こんなとき、まずニーグリップで下半身をホールド、上半身からチカラを抜き左手首の甲を真っ直ぐにし、グリップも外側3本でホールドすると、前輪の舵角を抑えにくくなる。
斜めにセットされたフロントフォークには、もともと復元力があるので、多少ハンドルが振れても待っていれば真っ直ぐ走る。
過度に緊張しないで慌てずにバイクまかせに走るのがコツ。そしてレールを跨ぐときだけ深い角度で横断!を忘れずに。