ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、
でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意!
ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない。
先輩からもカーブは肩から入るようアドバイスされ、それでほとんど問題なく曲がれてきた。
ただペースが速いとき、上半身をイン側へ移動することで曲がっていたけれど、カーブによって曲がりはじめるのが遅れてドキッとすることがある……
ナゼ状況によってこの遅れを生じるのか?
それは上半身を横へ移動している間に、体重がシート座面から抜けているからだ。
肩を横へ移動すると荷重は逃げてしまうので、
扇形を意識して小さくバランスを変える感じがコツ!
上半身の両肩を横へズラすということは、腰のあるシート座面からみれば両肩が遠い位置へゆくので載っていた体重がこの間は抜けてしまう。
ということは、車体にとってリーンに作用する重心移動をしていないのと同じになる。
ただ、上半身が横移動していれば、時間差で影響をうけてリーンはできる。
とはいえ、車体へ直接作用していないので、時と場合でいつ曲がりはじめるかは状況次第になりがちだ。
これを防ぐには、腰の位置と両肩の距離を変えずに上半身を移動すれば良い。
つまり肩を横に突きだすのではなく、内側の肩が真横ではなく斜め下方向となる、いわゆる扇形に上半身を移動するのだ。
コーナーの速度が高めなら、腰の体幹移動も覚えておきたいのと、
上半身を低めに(荷重抜けに留意して)すべて小さくクイックに!
とはいえ、上半身の移動は車体へ直接作用しにくいので、60km/hあたりを越えてからは曲がり方が安定しにくいリスクがある。
基本はシートに載った腰まわりが、重心移動では車体へ直接作用するので、イン側の大腿骨のつけ根がある骨盤のホール部分へ、脊椎の下の部分でうけていた上半身の体重を、ほぼ動かずに体幹を移動する感じで移動するのが最も直接作用するやり方。
ちょっと難しく考えてしまいがちなので、たとえば電車の車内で、両足を少し開いて揺れたとき体重を載せている足を入れ替える……そんなイメージが一番近い。
実はバイクを構成しているコンポーネンツの中で、エンジンが一番重く、しかもクランクシャフトが回転しているため、地球ゴマのように慣性力が働いてそこにいようとするチカラが大きい。
これがすべての動きの中心、つまり重心として作用するわけだ。
ではその重心がどこにあるのかというと、ライダーの足元、踝(くるぶし)のあたり。
リーンはそこが路面から扇形に動いていることになる。
なかなか想像しにくいライダーとの関係だが、これを掴んで操作すれば、大きなアクションなしにリーンが素早くタイミングも正確に可能となる。
またヘアピンなどを旋回中に、カーブの曲がりが長く、ちょっと膨らむかもと感じたとき、上半身を下へ移動すると重心へ影響して、そこからさらに曲がれたりするのだが、そのときもアタマや両肩を大きく動かすとその間に荷重が抜け、却って曲がれない区間にしてしまうこともある。
車体から身体の荷重が抜けないよう、アクションに気をつける……これが身につくとライディングに安全マージンが増え、安定もしてくるのでぜひ心がけてみよう!