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このバイクに注目
KAWASAKI
GPZ900R
1983~2002model

Ninja(GPZ900R)の20年【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

カワサキがZ1を凌ぐ初の水冷に賭けた熱意は、
スーパースポーツで異例の20年ロングセラーに

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1984年 GPZ900R(ZX900A)A1

4気筒Z1の次は6気筒の目論みに見切りをつけ、
コンパクトでアグレッシブな900に再挑戦!

大成功を収めた1972年のZ1は、1976年にはZ1000へと進化し、1981年にはZ1100GPへと発展を遂げた。
しかし同じ頃、ライバルはV型エンジンや4バルブ化、さらにはターボチャージャーとパワフルさに拍車をかける真っ只中。
カワサキもZ1で得た頂点の座を守るべく、新たなエンジン開発に取り組んでいた。
1980年9月に下された新規開発の決定は空冷6気筒。ところがシックスならではのウルトラスムーズなパワーフィーリングに、何と開発陣はZ1を凌ぐ衝撃には当らないと開発に見切りをつけたのだった。

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空冷4気筒のZ1はカムチェーンが中央で左右が同じ外観

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水冷4気筒は左にカムチェーントンネルで右には何もない

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左端にカムチェーンのおかげで4つの軸受けは等間隔と強靭かつコンパクト

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エンジンはバランサーで振動を抑え、リジットマウントで剛性メンバーに利用する高張力鋼管ダイアモンドフレーム(シートレールはアルミ)とコンパクトでマスの集中化をはかる

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コンセプトを根底から見直した結果、ライバルの1,000cc化に敢えて900で挑み、エンジンにバランサーをつけてフレームとのラバーマウント化を避けた剛性メンバーとして思いきりコンパクトな構成を目標に決定。
そのためカムチェーントンネルを4気筒の中央に置かす左端のサイドカムチェーンを量産4気筒で初採用、そうなるほど高まる熱量に最後発となった水冷化で開発は急ピッチで進められた。
デザインもCD値0.33の驚異的な空力特性を得ながら、当然のフルカウルで進行していたが、カワサキの個性を重んじる考えからサイドカムチェーンが「左右非対称のカッコ悪さ」に見えるかも知れないネガティブ要素を、反対の武器にしようと両側面を切り欠いてエンジンを見せるNinja人気を決定づけた大英断も下された。
1983年のパリサロンでデビュー。続く12月にアメリカのラグナセカ・スピードウェイでワールドプレス発表、900ccながら115PSで250km/hのトップスピードと0-400mを10.976秒のパフォーマンスは世界の注目を集めたていた。

性能は先鋭化の一途を辿りスーパーバイクが牽引役となったが、
ホイールサイズ以外はそのまま20年も生産され続ける

世界最速となり対米モデルのペットネームNinjaの名も世界を駆け巡った新たなフラッグシップは、さらに全メーカーで先鋭化するパフォーマンスの流れから、1986年にはGPZ1000RX、1988年にはZX-10を経て1990年に147PSで300km/hに迫るZZR1100が登場するまでになった。
また900ccでも1994年にNinja ZX-9Rがデビューして、進化を急ピッチで進めていく状況にあったが、GPZ900Rの人気は映画「トップガン」人気も追い風となり衰える様子も見せないまま継続モデルとして生き残り続けたのだ。
1990年には前輪16インチを新世代の標準17インチ化などサイズ変更や足回りを刷新、1999年にラジアルタイヤ化やブレーキ強化にガス封入式ショックアブソーバーへと潮流に合わせた変更もうけたが、根強い人気に支えられエンジンや車体に外観という基本は全く変えずに生き存えていた。
そして遂に2003年、世界的な排出ガスや騒音の規制に、パフォーマンスを維持したままの対応は困難ということになり、20年の歴史に幕を閉じることとなる。この間、累計で80,000台以上が生産される歴史に残る名車だった。

1984年 A1

NinjaロゴのUS(北米)仕様はハンドルやリヤフェンダーが異なる

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1985年 A2

仕向け地が彩りと共に増えコークバリントン選手出身の南ア向けにはライムグリーンも

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1986年 A3

弟分のGPZ600R/400Rと共通のカラーリングが加わる

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1987年 A4

ブルー×シルバーが主流で新たに赤×シルバーも


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1988年 A5

渋く落ち着いたダーク調で派手にも見える人気のグラフィック

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1989年 A6

このカラーとブルー×シルバーがベーシックに人気


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1990年 A7

前輪17インチ化にホイールデザイン、Fフォークやミラーにメーターまで初のメジャーチェンジ、108PS/9,500rpmと若干パワーダウン

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1991年 A8

国内も750オーバーが許され、86PS/9,000rpmで最終減速比やキャスター角も国内仕様が設定された

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1992年 A9

国内仕様のみのA9、初期型カラーを復活

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1993年 A10

日本仕様はホイールカラーを変更、ここから5年はモデルコードも変化なく継続生産、欧州は最終モデルとなった

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1998年 A11

海外向けはマレーシア仕様のみ(日本仕様と共通のカラー)

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1999年 A12

フロントブレーキを6ポットキャリパーに、リヤサスをガス封入ショックアブソーバーに、日本仕様は規制から最終モデルとなった

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2000年 A13

マレーシア仕様のみ、東京モーターショーで参考出品したイエロー×ブラックを既存の赤×グレーに加える

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2001年 A14

A6と良く似たブラック×グレーと定番のライムグリーン

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2001年 A15

外観カラーリングはA14のまま排気ガス規制対応の2次空気導入装置を設定

2003年 A16

A11のカラーリングパターンを踏襲し、2003年6月で生産を終了

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