ネオレトロなハイパースーパースポーツは、
エアロダイナミクスをコンセプトに開発
EICMA(ミラノショー)で、MV AGUSTAはスーパーベローチェ1000セリエオロと、新しい発想を具現化した921Sのふたつのモデルを発表、11月3日にKTMが25.1%の株を取得し、KTMも所属するピエラーモビリティとの契約合意で意気盛んなところをみせた。
まず2023年の早い時期にデリバリーの開始が伝わってくるまで、具体的な製品化の段階へ漕ぎ着けているスーパーベローチェ1000セリエオロから紹介しよう。
スーパーベローチェ800と同じく、ブルターレ1000RRのプラットフォームをベースに開発されたスーパーベローチェ1000セリエオロは、エアロダイナミクスをメインテーマとしてフロント両側にウイングを装備しているのが最大の特徴。
このウイングは320km/hで39.2kgのダウンフォースを発生するという。またアンダーカウルの先端から後方へ流速を高めるエアフローも、エンジンオイルの温度が最適化されている。
さらに前輪にはカーボンファイバー製のディスクブレーキ・カバーを装着。ブレーキ・キャリパーの冷却をはじめ、このカウルに沿って流れる流速全体を整える最初の部分を担ってもいる。
先進性へのチャレンジは、スーパーベローチェ1000セリエオロを特徴づける各部や素材へも波及している。
リヤホイールのキャストスポークと一部ワイヤースポークとで混成する構造や、40パーツにも及ぶフォージドカーボンファイバーの軽量で強度のある新素材など、従来にはなかった要素で構成した革新的な成果が目立つ。
4気筒は2次振動を抑えるバランサーを加え、
電子制御もエンジンモードからサスペンションまで最先端を装備
ブルターレ1000RRの4気筒エンジンには、2倍速で回転する2次振動バランサーが装着され、14,000rpmで実に54%も振動を低減したという。
6軸慣性センサーなど電子制御も最先端レベルで導入され、トラクション・コントロールは8つのレベルで制御、コーナリングABSから前後オーリンズ製サスペンションも自動調整の高次元な動作で機能している。
2次振動バランサーは14,000rpmで実に54%も振動を低減
40パーツにも及ぶフォージドカーボンファイバー製品
MVらしさの象徴でもあるトレリスフレームを継承
SPEC
- Specifications
- MV AGUSTA
SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO - エンジン
- 水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒
- 総排気量
- 998cc
- ボア×ストローク
- 79×50.9mm
- 圧縮比
- 13.4対1
- 最高出力
- 153.0kW(208HP)/13,000rpm
- 最大トルク
- 116.5N-m(11.9kgf-m)/11,000rpm
- 変速機
- 6速
- フレーム
- クロームモリブデン鋼管トレリス
- 車両重量
- 194kg(レースキット装着時192kg)
- キャスター/トレール
- NA/87mm
- サスペンション
- F=テレスコピック倒立
R=スイングアーム+モノサス - タイヤサイズ
- F=120/70R17 R=200/55R17
- 全長/全幅/全高
- 2,080/940/NA
- 軸間距離
- 1,415mm
- シート高
- 845mm
- 燃料タンク容量
- 16L
- 価格と発売時期は未定