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電子制御があれば転倒せずに済むんですか?【教えてネモケン056】

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A.完璧なリカバリーは不可能ですが……

近年のバイクには、トラクションコントロールコーナリングABSなどさまざまな電子制御システムが採用されています。これらのシステムはどこまで信用していいもなのでしょうか? 完全に頼りきってもよいものなのでしょうか? どうも信用できなくて……

知らず知らずのうちに助けられているはず

確かに最近の電子制御の進化には目を見張るものがあります。まず安全上の意味では、2018年からすべての二輪車にABS(アンチロックブレーキシステム)の採用が義務づけられています。これで基本的にはいわゆる握りゴケのようなクラッシュは防げるはずです。

ただしウエットな路面で石畳のように大きな凹凸がある場合など、進行方向ではない側からの外乱にライダーが慌ててハンドルを切ったりするとスリップダウンする可能性はあると思います。

これと同様に、後輪に強い駆動力がかかった場合、それがコーナリング中だとホイールスピンしてスリップダウンするリスクを、トラクションコントロールで回避する能力についても、路面の濡れ具合というか滑りやすさの度合いが極端であれば、バイクの傾き具合によってはあえなくスリップダウンする可能性が残ります。

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電子制御システムはライダーの失敗をリカバリーするものから楽しめるフィーチャーへと進化。ミドルクラスや250ccクラス、さらにはクラシックテイストの強いモデルにも電子制御は搭載されはじめている。多くのライダーがその恩恵を受けられる時代になってきた

公道では低いモードを利用すれば、疲労も軽減

バイクが二輪車という、走っている状態でバランスしている乗り物だけに、どのような状況でも完璧にリカバーすることは不可能でしょう。ただ常識的な範疇では、これまでライダーの操作ミスなどで起きていた転倒を、未然に防いでくれるまで進化しているのは事実で、基本的には信用して良いといえると思います。

そしてご質問とは別の話になりますが、ボクはこの電子制御を積極的に利用することをお薦めしています。たとえばスポーツバイクだと、ロードとスポーツ、そしてレインといった3モード用意されている場合が多いですネ。

で、ボクはツーリングだと雨が降っていなくても、路面が濡れていなくても、レインモードで走る場合が少なくありません。このモードをセレクトしていれば、どんな場合でも開け過ぎによるスリップダウンは絶対にあり得ないからです。

そして、これにはもうひとつの大事なメリットがあるのです。スロットル操作に神経を遣わず、かなりラフに捻ったり閉じたりしても、レスポンスが穏やかなためにバイクがギクシャクしないこと。これは長時間乗っているような状況で、明らかに疲労感に差がつきます。

またタンデムする際など、加減速の度に後ろに乗ったライダーのヘルメットがゴツンと当たることも回避できるなど、いつまでも後ろに乗ってもらいたい大事な人を乗せるときにも役立ちます。

頼るとか、信用するという意識よりは、しっかり理解してきちんと使うのがいまの電子制御なのです。

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普段はABSやトラクションコントロールを体感したことがなくても、ウエット路面では意外と介入していたりもする。知らず知らずのうちにバイクに助けられていることもあるはずだ

Words:根本 健 Photos:長谷川 徹