A.レバーをスイッチのように扱わないで!
バイク初心者ですが、ブレーキが不安です。
教習所で教わったように前7・後3程度の
イメージでブレーキしていますが、
レバーやペダルの操作加減がわからず、
いつも不安を感じています……。
そんな扱い方はしていない……と思っていても
スロットルを開けて加速するのは右手の捻り方ひとつなのでわかりやすいのですが、ブレーキは入力コントロール次第……経験が大きく影響します。しかも、リスクを感じることもあって苦手意識を持つ方も多いようです。
そこで、バイクに乗り始めたばかりのライダーが、ブレーキ操作で勘違いしやすいポイントに触れておきましょう。
まず知ってほしいのは、ブレーキはスイッチのように扱わないということ。レバーを握れば、自動的にブレーキが機能してくれるワケではありません。そんなふうに扱っていないと思っていても、実際にはスイッチのように操作してしまっているケースが多いのです。
たとえば、前のクルマのブレーキランプが点灯したとき、あるいは自転車が車道側へよろけてきたときのように減速が必要なシーンがあったとします。そのとき、とっさにブレーキレバーやブレーキペダルを操作しているのではなく、一定の力で一定のストロークまで動かしているだけではないでしょうか。
さすがに急に危険を察知すれば相応に強く入力するかもしれません。しかし、それは加減を調整する余裕もなく、ギュッとレバーを握り込んだだけ……という感じになりがちです。
慣れていないから加減がわからない、そう思うのも無理はありません。しかし、このままではいつまで経っても進歩は望めません。そこで、このスイッチのような操作から卒業するため、レバーへの入力の加減が主な操作であることを意識しつつ、次のポイントを意識してみましょう。
両側から掴む操作方法は微妙な操作ができない
バイクに慣れていない段階ではブレーキをスイッチのように扱ってしまいがち。一定の力で一定のストロークを動かしているだけでは操作とは言えない。その原因のひとつがレバーを握るように操作をしてしまうこと。支点が曖昧なことで、ブレーキレバーの反力がわかりにくいため微妙な操作がしにくくなる
強弱のコントロールに集中できる操作法
ブレーキは、レバーもペダルも操作する入力の支点、つまり固定している側を基点に強弱をコントロールしています。ところが、バイクにまだ慣れてないライダーの多くは、この支点がない状態で操作をしていることが多いのです。
たとえばレバー操作するとき、ハンドルのグリップラバーにある親指側を支点に使っていませんか? 実は親指の付け根を支点にすると、入力する側の指が2本がけでも4本がけであっても、レバーを両側から掴むような動作になってしまいます。これはクルマのブレーキで踵をフロアから離してペダルを踏んでいるようなもので、繊細な操作ができません。
そこで薬指と小指の2本でハンドルをホールドしましょう。ここを支点にしてレバー操作を行うのです。加えて、人差し指と中指でレバー上面を滑らせながら、巻き込むような動きにするとうまくいきます。 こうすることで、ブレーキが効き始める反力の強弱がわかりやすくなります。
細かいコツはまだたくさんあります。でもこれができるようになると、強弱コントロールに集中できるようになります。ぜひ試してください。
ブレーキはスイッチではない……この意識改革からはじめるのが、ブレーキ操作開眼の第一歩です。
適切な位置に支点があれば正確な操作ができる
スイッチのようにレバー操作する人ほど、支点を親指の付け根にしていることが多い。薬指と小指側でハンドルをホールドし、そこを支点にレバーを操作する。すると、ブレーキが効き始める、反力の強弱がわかりやすくなる
ペダル操作は踵をステップに乗せて感覚をつかむ
手や指先に比べ、リヤブレーキを操作する足の感覚はつかみにくい。慣れていないと、支点のないままつま先だけでペダルを操作しがちになる。慣れるまではステップにカカトを乗せて、そこを支点に操作を行うと良い
- Words:
- 根本 健
- Photos:
- 柴田 直行,藤原 らんか