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警視庁白バイはワイヤレス作動を決め手にスマートジャケットを選択!【What's New】

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警視庁,DAINESE
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ワイヤー方式のエアバッグジャケットでは、
衝突など瞬間的な衝撃には対応できないと判断

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警視庁は2022年12月から、白バイ乗車時にスマートジャケットの着用をスタートした。
実は他県警では、ハンドルなどバイクの一部とジャケットをワイヤーで繋ぐ方式の、エアバッグジャケットを採用してきた例がある。
「従来のワイヤー方式のエアバッグジャケットの場合、事故発生時、オートバイから一定の距離を離れることで、エアバッグが展開するため、衝突等による瞬間的な衝撃には対応ができません」
今回の警視庁がスマートジャケットを採用した経緯について質問したところ、このような回答を得た。

「また、白バイにはバンパーが装着されているため、当庁では白バイ乗務員に対し、事故発生時の被害軽減の観点から、転倒時は原則として、白バイから離れないように指導しております」
「以上のことから、当庁ではワイヤレス方式のエアバッグジャケットを採用することとなりました」と明快にコメントしている。

「白バイの制服・装備品等を装着した状態でのエアバッグ展開実験、実際の街頭活動において試験運用を実施しました」と運用面での確かさも伝えてくれた。
ただスマートジャケットがベストの形状で、制服の内側に着用するため、外観から装着しているのはわかりにくいが、首都圏の混雑など警視庁ならではの環境で、白バイ乗務員の身を守るために選択した手段として今回の選択が意味するところは大きい。

エアバッグジャケットといっても、衝撃に弾力的な反発ではなく
鎧(よろい)のように硬化して身を守るスマートジャケット

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エアバッグというと、衝撃時に浮輪やタイヤのチューブのように膨らみ、強い衝撃からやんわりと身を守ってくれるようにイメージしがちだ。
しかしスマートジャケットには瞬時に高圧が充塡されるエアバッグ内部に、マイクロフィラメントと呼ばれる強靭で極細の繊維が折り畳まれていて、展開時に容積の膨張を食い止めることで硬化、脊椎側で一般的なプロテクターの7枚分、胸部も8枚分もの硬さが身を守る。
弾力性があったら強く圧迫されたとき他の部分へ圧力が逃げ、高圧の衝撃が緩衝できず脊椎や肋骨の損傷へ結びつきかねない。

特許でもあるマイクロフィラメントを内蔵している点は、他にこれほど決定的な差をつけてしまうのだ。
因みにヨーロッパ安全認証、 EN規格には脊髄プロテクターの1621-2、胸部プロテクターの1621-3、肘や膝など1621-2や3以外の部位の1621-1、そしてエアバッグプロテクターの1621-4まである。
ダイネーゼのD-airはマイクロフィラメント特許によって、これらすべてをクリアしている世界で唯一のブランド。エアバッグプロテクションと方式で銘打っても、1621-1~3までの規格対応がほとんどなのだ。
実際に実験で作動させてみたが、まさしく瞬時に鎧(よろい)を身に纏った状態となり、その硬さに驚くばかりだった。

ワイヤレスで動作するアルゴリズムは
毎秒1000回のモニタリングで7つのセンサーにGPSが加わり、
エンジンの振動を感知して信号待ちの追突でも展開する周到さ!

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このスマートジャケットが万一の際に展開するためのモニタリングは、何と毎秒1000回と途方もない頻度で、6軸や回転も含む7つのセンサーによる動的な感知、それを状況に応じた判断と連係するGPS感知、それは走行時のみならず信号待ちなど停車していても、ライダーが跨がっていればエンジンを感知、追突などの衝撃でも展開されるのだ。

バッテリーは終日のツーリングにも心配ない容量で、小さなカラーモニターで機能しているのが確認できる。基本はベストの形状で、ウエアの内側に着用できるしなやかな繊維のため、コンパクトに折り畳めてしまうほどの柔らかさ。
通気性も良くウエアの外側にも着用できるので、サイズ感など実際に店舗で着用してみるのがお奨め。

長袖の仕様に通常のジャケットがD-airとなるなど
新しい商品も追加されているので、
シーズン前にぜひ店頭で手に取ってお確かめを!

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D-airのスマートジャケットも、ライダーそれぞれのライディングスタイルに合わせ、バリエーションも様々に増えてきている。
内側に着用する際のフィット感や、レザーベストとして街乗りを意識したスタイル、もしくはトラディショナルもしくはスポーティなバイクとのフィッティングを前提としたジャケットスタイルなど、ぜひ店頭で実際に手に取って確かめるのがお奨め!
万一に備え、シッカリ身を守る意識と、心からライディングを楽しめる時間のため、スマートジャケットは必須になりつつある。