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最新タイヤは電子制御を考慮して開発されている【メッツラー・ジャーナル Vol.3】

かつてハイエンドなオートバイを中心に搭載されていた電子制御デバイス。しかし現在の市販モデルには多くにABS、トラクションコントロールが標準装備化され、ライディングモードすらベーシックなものとなりつつある。さらに上級志向のモデルには、車体姿勢を検知する6軸センサー(IMU、イナーシャ・メジャーメント・ユニットとも呼ばれる加速度センサーだ。)の登場により、電子制御周りのきめ細やかさはさらに進化を遂げている。ライドバイワイヤのスロットル制御もそのひとつ。電子制御スロットルなどの装備で描きやすくなったライディングモードも、この10年で大きく進化したひとつといえるだろう。

各種センサーからの検知信号で車体の姿勢、速度、などを検知。エンジンECUからの情報やサスペンションに搭載されたストロークセンサーの信号も合わせ、適宜最適な減衰圧に変化させる電子制御式サスペンションはもちろん、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロール、坂道発進を補助してくれるビークルホールドコントロールなど、部品を足さずに搭載されたコンポーネントで機能が増えているのが最新版ハイエンドモデルが持つバラエティに富んだ装備と言える。

200馬力を超すエンジンを搭載したスーパースポーツでサーキットを楽しむような場面でも、もはや電子制御に頼って走るのが当たり前になってきている。ことトラクションコントロールにおいては、タイヤが暖まる前にそれほどアクセルを開けていなくてもメーターパネル内にオレンジ色のワーニングランプが点滅するなど、状況を可視化することでライダーが危険な状況を把握する手助けになるのだ。

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OEM(新車装着)サプライヤーとして電子制御対応を前提に開発

振り返れば2010年代に入りライディングモードによって、エンジンレスポンス、トラクションコントロールやABSの介入度合い、サスペンション減衰圧やイニシャルプリロードまで変化するモデルが誕生し始めた。日進月歩で進化する電子制御デバイス。当時と比較するとこの10年でその性能はさらに高まり、制御のきめ細やかさで作動や介入もナチュラルになった。

こうした電子制御デバイスの進化の過程をメッツラーはOEMサプライヤーとしても同時に歩んできた。中でもトラクションコントロール、ABS(コーナリングABSを含め)は、タイヤの路面追従性、あるいはウエットグリップ性能との相関がある。基本的にタイヤの構造やトレッドゴムのコンパウンドによる進化、それを含めた車体設計で生み出すグリップ力を主とすれば、電子デバイスの存在は従。つまりサポート役だ。タイヤの性能が高まればポテンシャルを補完する関係となり、ライダーが感じる安心感はさらに高まることになる。

つまり新しい世代のタイヤがもたらす路面追従性の進化が、オートバイの走りそのものをアップデートするように、電子制御デバイスを含めたバイクの楽しさを増してくれることは言うまでもない。タイヤの交換時などそうした部分もひとつのポイントとして捉え、ショップなどでアドバイスを受けるとよいだろう。

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