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荷重抜けで曲がらなくなる瞬間【ライドナレッジ093】

Photos:
藤原 らんか,Shutterstock

同じにバンクしているのに曲がってくれない

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たとえばカーブの途中で、そこまで曲がってきた旋回からいきなり曲がり方が緩くなって慌てたことはないだろうか。
もしくはさっきまで違和感なく連続したカーブを駆け抜けてきたのに、差し掛った速度が下がりめのコーナーから大きな弧を描いて焦ったことがあるかも知れない。
これはたまに起きるライダーの「荷重抜け」現象のひとつ。カーブのカタチやどこを見ていたかで気づかずにちょっと緊張したりすると起きることが多い。

外側に体重が残ってしまうとバイクは曲がらない

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これは自分では同じにリーンしているつもりでも、腰の外側、座っているシートのアウト側に体重が載ってしまう、内側へ脱力できていない状態になると陥りやすい。
ありがちなのが、カーブの先を見たとき「膨らむ」と妄想したとき。もしかして曲がれないと思えば、身体は緊張する。
すると体重がイン側へ重心移動できず、または重心移動できていたのに緊張で上半身からちょっとだけ戻したような状態になりやすい。
こうなるとバイクは当然それまでより曲がりにくくなる。
この旋回が膨らみがちに変化したのを感じれば、ライダーはさらに緊張して固まってしまうだろう。
そうなればなるほど悪循環で、曲がりにくくなる。

ダラリと体幹で重心をイン側へ低くする、リラックスした状態になろう

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効率良く曲がれているときは、体幹で背骨と骨盤のつなぎ目あたりの位置で、体幹をイン側で下の方へ重心を移動したフォームになっているはず。
内側の脇腹へ寄りかかるように上半身のチカラが抜け、シートに座った腰も全体にベッタリと接しているので重心が下がる効果を高める身体のホールドができている。
しかしこの状態でも「脱力」していた上半身が緊張で力むと、背中のアウト側が張り気味になりシートのアウト側へ体重が載ってしまう逆モーションを起してしまう。
そんな状態へ陥らないよう、余裕のあるコーナーで曲がっている途中で緊張すると内側にダラリとかかっていた荷重が抜け、外側へ体重が載ってしまう状態を瞬間だけ再現してみよう。これでいきなり曲がらなくなるのを確認したら、元のダラリとした状態へ戻せな難なく曲がれる。
これを何度か繰り返し経験しておけば、ふと曲がらない!と緊張した瞬間に、どうやってチカラを抜けばそんなリスクを回避できるかを身につけることができる。 そうやって対応力をアップしていくことが、安全でリスクのないライディングを積み上げていくのに重要になる。
常にリラックスした状態で乗るよう心がけておこう。