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リヤブレーキはペダルをつま先で踏むと、まるで効かない or すぐABS!?【ライドナレッジ106】

Photos:
藤原 らんか

効かないし加減がわかりにくいから放置しがち……
実は踏み方ひとつで驚く効きで安心感も大きい!

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リヤブレーキをまったく使わないライダーがとても多い。
ペダルを踏んでも効き方がわからない足応えだったり、強く踏むとABS付きならクククツとロック防止機能が作動したり、ABSがなければ恐怖の後輪ロックに陥る。

なぜそんなことになるのかといえば、つま先でペダルを踏もうとするので、ブーツ裏の土踏まずがステップから浮き気味になり、支点を失ってしまうからだ。
支点がなければ入力の加減はわからなくて当然。まずココから工夫していこう。

まずは踵をステップに載せ、
踵を支点にペダルを踏んでみよう!

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そこで踵をステップに載せる位置まで足を前に移動、この踵を支点にペダルを踏んでみる。
するとわからなかったペダルの遊びストロークや、足応えに効きはじめの反発を感じる位置、そしてそこからジワッと強まっていくストロークの深さも伝わってくるではないか……

これはクルマの運転ができる人なら当然のことで、ブレーキを踏むとき踵をフロアにつけて支点にするから強弱コントロールができる、まさにそれと同じ理屈なのだ。
これで効き方に強弱をつけられるので、まずは練習できる環境でリヤブレーキだけで止まってみよう。
意外なほど効くのに驚くはず。これにフロントブレーキも同時に使うと、あの嫌な前のめり(ノーズダイブ)が少ないままピタッと停止できるので、まずは慣れるまで繰り返し右足の操作感を覚えること。

支点をつくる工夫をしてペダル操作すれば
踵を載せなくても完璧なリヤブレーキコントロールができる

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ただ踵をステップに載せた位置だと、右へバンクしたときつま先が路面と擦ったり、何かと不都合が多い。
そこで慣れてきたら、ブーツの土踏まずにステップがくる位置に戻し、そこでブレーキ操作するときに僅かステップを上から踏む感じを加え、支点を意識してつま先にチカラを込めず足首を回転させるようにしてみる。
車体側に内側の踝(くるぶし)を押し付けるようにしても支点がつくれるので、ご自分に合ったやり方を工夫してみよう。

リヤブレーキが使えると色々と便利に応用できる

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リヤブレーキは、その構造上かけると後輪がリヤサスを縮める方向へ動こうとする。
これは超ハードブレーキだと、路面から後輪を浮かせてしまうが、通常の減速なら車体のピッチング(前のめりなど)を抑える効果がある。

またリヤサスが何かしらの理由で、不要な上下動をしているときなど、ピタッと車体を落ち着かせるプロワザも可能だ。
ベテランだと雨の日にリヤブレーキを軽くかけながら、スロットルを開けて加速をはじめたいタイミングでリヤブレーキを放し、ドンと嫌なショックで濡れた路面で滑りがちなトラクションをスムーズに効果を活かす使い方もある。

リヤブレーキ、使える使えないの差はとてつもなく大きい。
ぜひどこかのタイミングでペダル操作の練習をしておこう!