遠くを見ろというけれど……
やっぱり気になるすぐ前の路面
ワインディングのコーナーが近づいてきたとき、どのくらい曲がっているのかなど、カーブの入り口の様子をはかっておきたいところ。 しかし遠くを見ていたくても、走っているバイクのすぐ近く、目の前の路面がどうしても気になる。
すると目線が先のほうと目の前を行ったり来たりを繰り返しやすい。 ここで問題なのがこの目線が遠くと近くを切り替えるように見てしまうため、数十メートルが見えているのに死角のような感じになってしまうことだ。
慣れていないと両方が気になるのに、どちらも細かく確認するまで見ていられず、下手をすると不安が募るだけになってしまう。
前方を注視しながら、
手前の景色も確認できるように眺める
この遠くを見ながら、手前にも気を配るという神経の遣い方は、訓練することで徐々に全体を掴んだ情報として意識できるようになる。 まず遠くのカーブの入り口を見ながら、自分に近い路面の様子は景色として確認するよう意識する。
コツは焦点を合わせた注視をしなこと。漠然と眺めながら景色として捉えながら、先のカーブの入り口は最初の曲がり方のきつさなど確認しつつ、手前の路面も段差や舗装が剥がれた状態がないかなど、焦点を合わさず確認できるように訓練するのだ。
先のほうが見たくて、どうしても見つめてしまいがちだが、焦点を合わさず漠然と眺めながら状況は情報として確認……慣れてくると意外にできるものなので、とにかく練習あるのみ。
電車の先頭車輌で前を見ながら、
遠くの景色と手前の流れる景色で訓練ができる
電車の先頭車輌で、運転席の後ろで前が見られる位置がある。そこで走っている電車から、遠くの様子と手前に向かって流れ来る景色を、漠然と眺めながら何が見えているか、情報として確認する訓練をしてみよう。
焦点を合わせず、注視せずに漠然と眺める……最初は目線が動きがちだが、慣れてさえしまえば景色として見ながら情報を収集するというように意識できるようになる。
こうしてカーブの入り口を情報として眺められるようになると、その最初の曲がり方を読んで何速のギヤで進入したら良いのかなど、予め概要を決めておくことができるようになる。
この余裕があるとないとでは、不安のままなのか楽しめるのか、天と地ほどの差がある。
とはいえ偶然に経験がカタチになって、うまくなるということはないので、徐々に地味でも自分の感性を馴染ませ訓練していく努力は積みたいもの。 あらためて意識をして走るよう、心がけておくのをお奨めしたい。