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シフトアップで親指のつけ根が痛くなる!?【ライドナレッジ118】

Photos:
藤原 らんか,RIDE HI編集部

シフトアップの掻き上げ操作は、
ビギナーには苦痛!

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キャリアを積んだライダーには懐かしさでしかないだろうが、まだ乗りはじめて間もないライダーの中には、ツーリング先でシフトアップをするときの左足親指つけ根が痛くなり、たまらずギヤチェンジの回数を減らして走る……など辛いことのひとつだったりする。

そもそもギヤチェンジのシフトペダルの、つま先で上に掻き上げるという操作は、道具を扱う中でも滅多にない動作方向。
ぎこちなくて当然で、それも手伝ってシフトミスまでするため、力づくで一生懸命シフトアップするハメに陥り、痛くなったりするわけだ。
何度も操作を繰り返すうち、慣れないと親指の皮膚が擦れてめくれてしまうこともビギナーにはありがちなハナシ。

ガーゼ付き絆創膏を巻いても痛さは変わらず、毎週末はムリなんてションボリした経験も……そのうち慣れて、親指つけ根の皮膚も鍛えられたりするかも知れないが、そんな根性で乗り切るのではない、具体的な対策を伝授しよう。

深くつま先を入れた位置関係から、
確実でミスらない一瞬の操作に慣れよう!

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まず親指つけ根が痛くなるライダーは、チェンジペダルに対しつま先を深く入れて、ペダルが親指つけ根を超え足の甲にかかるほど深い位置で操作しよう。
足先を擦り付けるくらい内側に寄せ、土踏まずより踵が少しステップに載っても構わないほど深い位置で操作する。

ツーリングなど出先で親指つけ根が痛くなってからでは手遅れなので、出発するときからこのスタイルで1日走り続ける。
次に気をつけたいのがそのシフトアップするときのペダルストローク
オートバイの変速機(ミッション)は、常時噛み合い式といって、ギヤ同士は噛み合ったまま回転し、空転する側と固定されてる側のギヤを横方向へスライドしてロックすることで駆動を繋ぐ方式。

この横方向のスライド量が小さいので、半端にシフトアップ操作するとキチンと送り込まれず、ニュートラルのようにどこへも入っていない状態に陥りやすい。
だからといって強くペダルを掻き上げれば良いというものでもなく、短いストロークでもストロークが終わる最後の位置まで「カチッ」と送り切ることが大事。
短いストロークを意識して「カチッ」と動きが止まるまで操作をやめないことだ。

いわゆるブーツにチェンジペダル用のアテ革があれば、親指つけ根の保護になるが、皮膚がすぐめくれたりする人は、ブーツの靴底が硬めのタイプを選ぶと全体がしなることなくラクになることもある。

何れにせよ、この短いストロークを「カチッ」と送り切る操作に慣れてくると、つま先を深く入れなくてもカツカツと矢継ぎ早にシフトアップが可能になる。そこまでの我慢ということになる。

積極的にシフトアップを繰り返すと、
安全確実で醍醐味も楽しめる走りになる!

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発進のローギヤへシフトしたりスタートの半クラッチ操作を除き、クラッチレバーはギヤチェンジにフルストロークまで切るのは却ってよくない。
丁寧な操作と勘違いしやすいのだが、クラッチをフルに切ってゆっくりギヤチェンジする操作は、ミッションの回転差を大きくして、その度にクラッチが半クラッチから強制的に繋がるという滑り方が介在するからだ。

シフトアップ時は、クラッチはレバーの遊びストロークから数ミリの僅か触った程度の位置まで引けば充分で、その間に「カチッ」と素早く小さな動きでシフトアップ、クラッチレバーを指から放す感覚で瞬く間に繋いでしまうのが、機械的にも傷めることなく、加速も途切れずズムースに繋ぐことができる。

これを身につければ、カーブの途中でも車体を傾けたまま矢継ぎ早にシフトアップが可能で、低回転域の爆発間隔が広くパルスを刻んだようなグリップが得られ、飛び出すようなリスキーな状態を心配せずに、ワインディングを安定して曲がれる醍醐味に浸れる。

まだ親指のつけ根が痛いライダーに言っても、そんなイメージなぞできるわけもないだろうが、シフトアップの回数は多いほど楽しさとマージンが増え、操る面白さの究極を味わえるのだ。
まずは痛くならないよう、そして短く「カチッ」と送り切る操作に徹しよう!