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上目遣いが安定と曲がりやすさを握る!【ライドナレッジ139】

Photos:
BMW,藤原 らんか

上目遣いで顎を引くと上半身から腰まで影響が及ぶ

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ライディングの姿勢で、上目遣いになるよう顎を引くのが基本といわれることが多い。
見た目にも精悍で、キャリアのあるライダーの雰囲気を伝えてくる。
そして実際、それは理由のある姿勢の連鎖となっているのだ。

まず顎を引いて上目遣いとなる顔の角度は、背中が湾曲しやすくなり理想の姿勢を取りやすい。
いわば姿勢の連鎖を生んでいるような関係で、その湾曲した背中がシートに座る腰の骨盤との継ぎ目へ、上下にクッションさせるイメージで体重を載せるという状態へ自然に落ち着く。

この姿勢は腰の後ろのほうでシート座面へ接することになり、太ももがシートへベッタリと密着する姿勢の連鎖となる。
上半身を軽く前傾させると、腰がシート座面で後ろへやや押された状態となり、太もものシートへの密着度合いを高める……といった按配だ。

これでハンドル持つ左手首が真っ直ぐで、両腕両肩、そしてやんわりニーグリップした下半身からチカラが抜けていれば、バイクは直進の安定性やリーンしてコーナリング状態へ移行するバランスを、ライダーに妨げられることなく最も効率良く機能する好条件下となるのだ。

背中が伸びると腰の前側に体重が載り、
車体の動きと方向転換がズレはじめる

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では顎の引けていない、上目遣いにならない姿勢だとどうなるだろう。
顔が下を向かない角度だと、背中は自然と伸び上がりやすくなり、真っ直ぐか逆に反った姿勢に陥りやすい。
この上半身の角度は、腰の前の部分でシート座面へ座ることになり、それは太ももが開きがちで両膝がニーグリップしづらい位置関係となってしまう。

こうなると体重がベッタリとシートへ密着できす、上半身が車体の動きとシンクロしにくい状態となる。

エンジンなど重心に近くなる関係で、街中で進路変更をスネーキング(蛇行)して抜けていくには便利かも知れないが、動きがスラローム状なので狙った走行ラインにはなりにくい。
すり抜けでどこかを引っ掛けるリスクがあるので要注意。
そしてもちろん、カーブを旋回する速度域だと、路面の不整などに前輪操舵から後輪の旋回軌跡まで、ライダーの体重を荷重として安定性を稼ぐことができず、落ち着きのない走りになりがちだ。

背中が伸び上がって逆反り気味な姿勢は、ビギナーに多いのもご存じと思う。
上目遣いで顎を引いてさえいれば、経験や知識がなくても、バイクを安心できる状態で乗ることができる。
まずは理屈抜きに顎を引いた上目遣いを心がけよう。

クルージングでも姿勢を保つのが身につける秘訣

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この姿勢は、実は長時間のツーリングでも疲れにくいなど、そのメリットがはかり知れない。
ところが、つい途中で緊張感を失い、全体にダラリと脱力したような状態に陥ることがほとんど。
しかしどんなに安定性の高いバイクでも、ライダーが一体になっているか否かで、路面の不整に対してなど安定の保持に大きく影響する。

さらに一定以上の時間が経過すると、手の平や首から両肩、さらには腰やシート座面のお尻まで痛みを感じるようになるとオオゴトだ。
これはちょっとやそっと休んだトコロで解消する痛みではない。そして疲労度はそこからいきなり急増する。

そうならないためには、ツーリングへ出発してすぐにこの姿勢に気を配り、事ある度に自分でチェック、高速道路のクルージングでも姿勢を保ち続けることで、徐々に身体が覚え意識せずとも自然にこの状態で運転するようになる。
そうなるためにも、姿勢チェックは頻繁にし続けること。
見た目にもカッコよく疲れにくく操作もしやすい、上目遣いで顎を引く、をお忘れなく!