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外側ニーグリップでバイクに掴まる!【ライドナレッジ137】

Photos:
Shutterstock(Erik Tanghe / OlegRi) ,藤原 らんか

バイクはどこに掴まっていたら良い?

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力んではいけない、身体からチカラを抜いた状態で……。
このアドバイスが多いのは、バイクの動作を妨げないため。しかし、リラックスした状態で乗るのがベストとはいえ、路面からの揺れやバイクの加減速など、身体のどこかでバイクに掴まっていないと操作しづらい。

バイクを習いはじめた頃に教わったニーグリップ。燃料タンクを両膝で挟みつけると、確かに身体が安定したしバイクの進路を変えるときもそこそこ思うようになった。
ただこの両膝で挟んだ状態でリーンしようとすると、腰で捻る動作になってしまい、これはどのくらいバンクしようとか、どのくらい曲がろうかという加減がしにくい。

そこで覚えておきたいのが、外側にあたる片方だけの膝でニーグリップする操作だ。

膝をタンクへやんわり接するため、
ステップと踝(くるぶし)、シート座面の太ももを使う

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まず注意したいのが、身体のどこかが力むと筋肉が緊張して、バイクと接している箇所が面ではなく点や線になってしまい、そもそものグリップするポテンシャルを下げてしまうので、やんわりと接するようにすること。

そして膝が燃料タンクの外側ニーグリップの面へジワッと押し付けられるよう、ステップの足首を踝(くるぶし)が車体に触れるよう内側に寄せ、シートの座面にある太ももを、足首と膝のジワッと撓ませる支点となるよう、体重をシッカリと載せ、ベッタリと接する面を広くする。

この片方だけの外側ニーグリップは、ブレーキングの減速Gで身体が前へズレるのを防ぎ、加速で後輪へ充分な荷重が働く姿勢もつくりやすい。
そしてリーンの動きにも、この外側ホールドで車体を安定させ、体幹をイン側へ移動してリーンするときの、脱力へと移行する強弱をつけるのに掴まっていられるベースにできるはず。

ちょっとだけ腰をイン側へズラすと下半身ホールドしやすい

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この3点を意識して外側ニーグリップをうまく使うのに、本格的なコーナリングでなくても、軽くイン側へ腰をズラした姿勢をとるとやりやすいことに気づく。
ということで、ワインディングなどカーブが連続するシチュエーションでは、左右どちらでも片側を必ずホールドした状態をつくっておくこと。

もちろん力んで、バイクに接している面を点や線にしないよう、やんわりと包み込むグリップになるよう、くれぐれも気をつけるのをお忘れなく。

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またバンクした状態でも、アウト側になる下半身のホールドで車体にシッカリ掴まっていれば、路面の不整で揺れた場合も体勢を崩さずに済む。
慣れてくるとこのアウト側ホールドに強弱をつけることで後輪への荷重も調整できて、旋回加速で後輪を路面に押し付けてグイグイ曲がる醍醐味も味わえる。

これは何も派手なアクションでコーナーを疾駆するペースを前提としたハナシではない。
ツーリングペースで、腰をズラすにしても拳(こぶし)ひとつ動かす程度でも、操りやすく効果も得やすいので、ぜひ試しながらコツを掴んでしまうようお奨めしたい。