ビッグバイクからのダウンサイズ、
でも躍動感は味わいたい、そして軽量!
年配ライダーはもちろん、そこまで年齢を重ねていなくても、いま乗っているバイクの大きさや重さに、もう少しコンパクトで軽いバイクに替えたい……そんな風に思いはじめたライダーにお奨めなのが、ドゥカティの2機種。
おそらく気になっているだろう、600ccや400ccクラスまでダウンサイズしてしまうと、ビッグバイクに馴染んだあの低い回転域の力強く頼もしいトルクがなくなり、エンジンを回して乗らないと楽しめない、でもそれはいまさらしたくないし、といったところもダウンサイズを躊躇する大きな要因に違いない。
そこがこのお奨め2機種だと心配ない。スクランブラーの空冷803cc、Newモンスターの水冷937ccの共にLツインは、600ccクラスとは一線を画した低回転トルクがあり、アイドリングのちょっと上の回転域から、スロットルひと捻りで路面を蹴っ飛ばすビッグバイクならではの醍醐味が充分にあるからだ。
エンジンをブン回すと、急かされているようで落ち着かないし結局はリスキーな速度域に入りがち。
ビッグバイクだとそこが余裕で、且つひと捻りで欲しい加速がすぐできる逞しさ。
これは長く乗り続けるために大切なポイントのひとつでもあるので、そう思われているのは正しい願望といえるはず。
そしてコンパクトで軽量。バイクの押し引きを負担に感じると、せっかく乗りたい気持ちになっていたのに、走り出す前に萎えてしまい、お天気など他に理由をみつけて出かけるのをやめてしまう……。
そんな経験をお持ちなら、コンパクトで軽量は必須!
スクランブラーの173kg、Newモンスターの166kgは、国産バイクだと400cc以下の250ccクラスと同じ重量だ。
さらにLツインならではの一対のクランクを2気筒が共有する単気筒と同じエンジン幅で、足つきを含め重量の差以上に軽く感じる。
Lツインのパルシブ駆動フィーリング、
ナロウな運動性の楽しさで醍醐味を満喫!
Lツイン(90°Vツイン)の爆発間隔は270°。タッ、タ、タッ、タ、と、低い回転だと後輪が震えるようにカクカク回転する。
この不等間隔ならではのパルシブな路面を蹴る特性は、グリップの良さで路面状況を選ばないメリットが大きく、いまや一般的なパラレルツイン(並列2気筒)でも、位相クランクにしてわざわざ不等間隔にしているほど。
この加速したときのフィーリングは、生き物のような躍動感があり、エンジンをブン回す気になれないほどの快感に酔える。
ここにスポーツバイクの楽しさが凝縮されているといって間違いない。
そしてスリムなエンジンと、それを活かした幅の狭いトレリスフレーム、Newモンスターに至ってはフロントフォークを装着するアリングヘッドをブラケットにして、エンジンと合体させたフレームレスに近い構成だ。
これで街乗りから軽快なのはいうまでもなく、ワインディングのコーナリングもリーン操作に遅れがないため、気持ちに余裕をもって走れる。
さらにハンドリングで定評あるドゥカティらしいアライメント設定で、扱いやすいだけでなく正確に操れる、ベテランにはたまらないポテンシャルも大きな魅力。
MONSTERは中古でも最新バージョン、
スクランブラーは初期からお奨め!
というこの2機種、いま半導体の不足もあって新車の入荷が少ない。ぼちぼち生産も回復しつつあるようだが、これからシーズンだというのに秋まで待たなきゃならないとなると、中古車に目がいくことだろう。
正規のドゥカティ・デーラーなら純正パーツを使い、メーカーのダイアグノーシスで最新設定のチェックもできるので、調子がどうとかの心配は皆無なので、すぐに乗りたいからと中古車を選ぶのも良い選択といえる。
ただモンスターは、最新のMONSTER+から思いきり軽量で乗りやすくなっているので、キャリアを積んだライダー向けの前の世代は避けたほうがイイ。
スクランブラーは最新ほど様々電子化が進んでいるが、初代から扱いやすいコンパクトさや楽しめる空冷ツインのベーシックな部分に変わりはないので、様々にバリエーションが出ていたので好みの仕様を選んで楽しむのがお奨め。
自分を元気にしてくれるバイク、そんなドゥカティとのバイクライフで、より長く乗り続ける工夫を重ねていきたいものだ。