1999年、東京モーターショーに突如CB Fourが出現!
CB Four、ホンダファンは憶えているはず。
1999年の東京モーターショーに、何の前ぶれもなく展示されたショーモデル。
その名もCB Fourと排気量が表示されていない。
往年のCB750Fourを彷彿とさせるスタイリング、但しエンジンはDOHCと誇らしげなふたつのカムシャフトが違いをアピール。
そして紛う事無き空冷4発!
エンジンの鋳造状態が開発途中である証しが確認できる加工状態だったので、これは単なるショーモデルではない、おそらく750ではなく1,000でもない、900ccだろうという噂が飛び交っていた。
2007年に展示されたCB1100R、CB1100Fで高まる期待感
しかし、多くのファンの期待に応えることなく時は過ぎていった。
マーケットの反応がいまいちだったということらしい……。
という空冷ファンに諦めの空気が漂った後の2007年、東京モーターショーにCB1100RとCB1100Fが展示された。
1981年にデビューした、市販車で競うレースを意識したCB1100Rのイメージをオーバーラップさせたフォルムに、ファンはまさにく狂喜した。
それと共にこのRのベースとなるだろうCB1100Fも展示され、翌年にもデビューを控えたNewモデルのティーザーとしての仕掛けと多くの関係者を意識させていた。
ところが翌年になってもCB1100Fのデビューはなく、ホンダは空冷の排気ガス規制などへの対応が難しく、諦めたのかと思わせていたのだが……
2010年のCB1100では未だ結実していない淡い思いが残る……
ところが2010年に、その空冷CB1100がデビュー。
何と水冷CB1300のシリンダーから上を空冷仕様とした変則的な方法で、1100ccとはいえ元が1300ccであるのを伺わさせる大きなボリュームが目立っていた。
しかしホンダならではの直4(並列4気筒)を知り尽くしたエンジニアたちによって、CB1100は空冷ならではの味わいある感性で、さすがと唸らせる完成度を誇った。
ご存じのようにその後、足回りをグレードアップしたCB1100RSが加わるなどして2022年の惜しまれつつ生産を終了するまで継続していた。
ただ1999年に見せた、CB Fourの空冷900ccとしての登場を望む声は消えていない。
ホンダの開発者たちにボク個人のデイトナ用モトグッツィV7とBMWのR50を、トラディショナルなバイクの良さを認識してもらいたく、もてぎで試乗するチャンスを設けたとき、返礼?という意味でか真っ黒な空冷900ccDOHC4発に試乗、エンジンフィーリングからハンドリングまで、すべてに舌を巻く素晴らしさだった記憶が消えずにある。
たとえ水冷化されても、ホンダにしかできないCB900の復活を、ぜひとも望みたいひとりであるのを、声を大にしてアピールしておきたい。