GSX-Rエンジンを中速チューンで185kgの本格スポーツに!

2006年5月に発売されたスズキGSR400は、2005年のパリショーで発表されたGSR600の国内向け400ccバージョンとして開発。
それまでスズキの400ccネイキッドは、美しいパイプを組み合わせたBANDITやINAZUMAに人気だった3世代目のIMPULSEと、トラディショナルでバランスの良いデザイン受け継いできた。
しかしこのGSR400/600は、ネイキッド専用では初のアルミ・ツインスパーフレームをはじめ、テールへ2本のサイレンサーをアップマフラーとするなど新しいオリジナリティをアピール、新ミドル世代として勝負をかけた意欲作だった。

共有プラットフォームのGSR600は、GSX-R600のエンジンをベースにタウンユースなどネイキッドに相応しい中速域重視にチューンを変更、全体のフォルムを2001年の東京モーターサイクルショーで物議を醸した「B-KING」を感じさせるデザインとして、新たなパフォーマンスカルチャーを狙ってのデビューだったのだ。



エンジンはGSR600のボアを67mmから54.6mmに縮小したストローク42.5mmの398cc、53ps/11,000rpmと3.8kgm/9,000rpmで、マフラー容量からトルキーな出力特性だがひとムチ入れると俄然パフォーマンス・ライディングにも応えるポテンシャル。
カラーバリエーションも当初から取揃え、新たなネイキッド世代を標榜した意欲を漲らせていた。



対して輸出用GSR600は、ミドルクラスが大排気量のレーサーレプリカのコストダウン・イメージから750ccクラスと共に色褪せてきたタイミングで、新たにミドル・クラス専用のスポーツ・ネイキッドをアピールするにはもってこいの状況だったのだ。
キャッチコピーも、GSX-R600からの最新レーステクノロジー、低中速域を高めた実用性アップとレーサー血統のハンドリングに快適性、さらには革新性を感じさせるNewデザイン……と、まさにユーザーが求めていたドンピシャリのマシンとアピールしていた。


このコンセプトは評価されマーケットでの人気を得ていたが、ニーズの微妙な変化に対応して750ccのGSR750が2011年にリリースされ、GSR600は僅か5年でその役割をバトンタッチしてしまった。


対して国内仕様のGSR400は、2009年に新たな排気ガス規制へ対応し、自主規制の撤廃もあって何とエンジンが61ps/12,000rpmへとパワーアップされたのだ。
外観的にはメーター上のカバーが、ミニスクリーンとして装着され、後期型と判別できるポイントとなっている。
400ccネイキッドクラス初の32ビットECM制御によるフューエルインジェクションシステム、メッキシリンダーの採用や独自のSDTVなど最適な燃焼を得るテクノロジー投入で、低速から高速まで力強いトルクと優れたスロットルレスポンスで、街乗りからワインディングまで扱いやすさとスポーツ性が高いレベルにあった。
こうして国内仕様のGSR400は2018年まで生産を継続、実に12年以上のロングラン・モデルでもあった。



